研究課題/領域番号 |
14045254
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
戸田 昭彦 広島大学, 総合科学部, 助教授 (70201655)
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研究分担者 |
山崎 義弘 中央大学, 理工学部, 助手 (10349227)
水口 毅 大阪府立大学, 大学院・工学研究科, 講師 (80273431)
彦坂 正道 広島大学, 総合科学部, 教授 (60087103)
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キーワード | 粘着 / 剥離 / 自励振動 / メニスカス不安定性 / 時空パターン |
研究概要 |
バネに接続した粘着テープを一定の速度で引き上げて、貼り付けた基板から剥離すると、剥離速度に応じて典型的な剥離形態が2種類知られている。これらは、メニスカス不安定性と考えられているフィンガリングにより、粘着剤とテープの間に空気が進入するトンネル状形態が形成されるか否かによって分類される。この現象は高分子粘着剤の(時間温度換算即に従う)粘弾性的性質の剥離速度依存性に大きく影響され、ソフトマテリアルの微視的性質がマクロな現象に現れる典型的な現象として非常に興味深い。さらには、剥離現象の物理的基礎を理解することにより、実用上の制御の可能性を検討することも本研究の目的である。 剥離は1次元的な剥離線で生じるので、剥離の時間的推移が剥離後の粘着剤のパターンとして粘着テープ表面に残される。今回の我々の研究により、系全体の堅さ(直列につなぐバネの係数)と剥離速度を適当に設定すれば、トンネル状形態の有無によって上記の二つの領域が時空パターンを形成することが見いだされた。このパターンはフラクタル構造の代表例として知られているチェルピンスキーのガスケットに類似のものであり、パターン形成機構を非線形動力学に基づいて理解しようと試みた。具体的には、剥離状態がトンネル状形態の有無という2状態で表されると仮定したモデル(剥離過程に状態変数を導入したモデル)を構築して理解した。
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