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2002 年度 実績報告書

タンパク質内ミクロ疎水空間を利用した蛍光性バイオセンサーの構築

研究課題

研究課題/領域番号 14045255
研究機関九州大学

研究代表者

浜地 格  九州大学, 有機化学基礎研究センター, 教授 (90202259)

研究分担者 王子田 彰夫  九州大学, 工学研究院, 助手 (10343328)
キーワード蛍光センサー / バイオセンサー / レクチン / P-PALM法 / 光アフィニティーラベル / ミクロ疎水空間
研究概要

本研究においては、天然に存在するレセプタータンパク質の基質結合部位におけるミクロ疎水空間を利用した新しい蛍光性バイオセンサーの設計を目標とした。天然タンパク質の分子認識空間をセンサー基体として利用するためには、認識部位指向性の化学修飾法の開発が必須である。我々のグループは、このような方法論として、新たに光アフィニティーラベル後修飾法(P-PALM法)を開発した。これによって位置選択的に望みの蛍光性プローブ分子を導入し、蛍光性バイオセンサーとしての機能化が可能となった。実際に、この手法を糖結合性タンパク質であるレクチンファミリーの一種(コンカナバリン)に適用すると、特定の糖鎖構造に応答して、選択的な蛍光変化が起こることを見いだした。蛍光変化のメカニズムの詳細を解明することにより、レクチンの結合部位ミクロ疎水部の重要性が明らかとなってきた。一般にレクチンの糖結合部位は、疎水性のアミノ酸残基が局在していることが知られており、我々のシステムでは環境応答性の蛍光プローブ分子はタンパク質表面のこの微妙なミクロ環境に応答して蛍光センシングを可能にしていると推測された。本手法は広くレクチンタンパク質一般に適用できると考えられ、構造の複雑な糖類各種の網羅的なセンシングに有用なバイオセンサー構築に道を開く一般的な手法になると期待される。

  • 研究成果

    (11件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (11件)

  • [文献書誌] A.OJIDA, Y.MITO-OKA, M.INOUE, I.HAMACHI: "First Artificial Receptors and Chemosensors to ward Phosphorylated Peptide in Aqueous Solution"Journal of American Chemical Society. 124. 6256-6258 (2002)

  • [文献書誌] S.KIYONAKA, K.SUGIYASU, S.SHINKAI, I.HAMACHI: "First Thermally Responsive Supramolecular Polymer Based on Glycosylated Amino Acid"Journal of American Chemical Society. 124. 10954-10955 (2002)

  • [文献書誌] A.OJIDA, S-K PARK, Y.MITO-OKA, I.HAMACHI: "Efficient Fluorescent ATP-sensing Based on Coordination Chemistry under Aqueous Neutral Conditions"Tetrahedron Letters. 43. 6193-6195 (2002)

  • [文献書誌] T.HIRAOKA, I.HAMACHI: "Caged RNase : Photoactivation of the Enzyme from Perfect Off-state by Site-specific Incorporation of 2-Nitrobenzyl Moiety"Bioorganic and Medicinal Chemistry Letters. 13. 13-15 (2003)

  • [文献書誌] C.A.BEWLEY, S.KIYONAKA, I.HAMACHI: "Site-specific Discrimination by Cyanovirin-N for alfa-Linked Trisaccharides Comprising the Three Arms of Man8 and Man9"Journal of Molecular Biology. 322. 881-889 (2002)

  • [文献書誌] S.KIYONAKA, S.TSUKIJI, I.HAMACHI: "Combinatorial Library of Low Molecular Weight Organo-and Hydrogelators Based on Glycosylated Amino Acid Derivatives by Solid Phase Synthesis"Chemistry, A European Journal. 9. 976-983 (2003)

  • [文献書誌] 平岡隆志, 浜地 格: "蛋白質の人工機能化"化学工業. 13-16 (2002)

  • [文献書誌] 笠置典之, 浜地 格: "ヘム蛋白質の超分子化学"化学工業. 449-452 (2002)

  • [文献書誌] 築地真也, 浜地 格: "修飾ミオグロビンによる水の光分解をめざして"バイオサオエンスとインダストリー. 60. 245-246 (2002)

  • [文献書誌] 清中 茂樹, 周善来, 浜地 格: "多様な化合物群の中からナノバイオ材料を創る"未来材料. 3. 36 (2003)

  • [文献書誌] 浜地 格: ""人工タンパク質",生命化学のニューセントラルドグマ"化学同人. 8 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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