前年度までに、光アフィニティラベル化後修飾法によってレクチンタンパク質の一種であるコンカナバリンAの糖認識サイト近傍に特異的な官能基を導入することに成功した。またそこに環境応答性の蛍光色素を修飾することによって、特定の糖に応答して蛍光変化を起こす新しいバイオセンサーの構築に成功した。本年はこの手法を用いて、蛍光性の人工分子認識部位(フェニルボロン酸にアントラセン部位をつないだ分子)を導入した新しい半合成レクチンを調製した。得られたレクチンは、特定のオリゴ糖の添加によって蛍光強度が増強されることが分かった。またその選択性を詳細に検討することによって、レクチンの糖結合部位の結合能力と人工分子人サイトの分子認識特性を合わせ持つ初めての半人工タンパク質であることが実証された。
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