• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2002 年度 実績報告書

水素結合性強相関ゲル膜の創製と動的結合制御による生体膜類似物質輸送

研究課題

研究課題/領域番号 14045266
研究機関関西大学

研究代表者

宮田 隆志  関西大学, 工学部, 助教授 (50239414)

キーワード核酸塩基 / バイオミメティックス / 水素結合 / 強相関ソフトマテリアル / ゲル / 膜 / 分子認識 / 分子間相互作用
研究概要

本研究では,新たに水素結合性の強相関分子を合成し,ゾル-ゲル法を利用することによって水素結合性強相関ゲル膜を創製した。さらに,得られた強相関ゲル膜と透過物質との水素結合形成能を外部刺激で動的制御することによって,生体膜の能動輸送を模倣した物質輸送(上り坂輸送)を試みた。その結果,以下のような成果が得られた。
1.ゾル-ゲル法を利用した水素結合性強相関ゲル膜の調製
末端にトリエトキシシランを有するウラシル誘導体とポリビニルアルコール(PVA)とのゾル-ゲル反応によって,効率よくウラシルを導入した水素結合性強相関ゲル膜を調製することができた。
2.水素結合性強相関ゲル膜と核酸塩基類との相互作用の検討
得られたウラシル導入ゲル膜と核酸塩基類との相互作用を解明するため,様々な条件下で核酸塩基類の吸着量測定を行った。その結果,相補的水素結合によってアデニンはウラシル導入ゲル膜内に選択的に吸着されることがわかった。また,その吸着量はpHに大きく影響され,水素結合阻害剤である尿素を添加すると著しく吸着が阻害された。
3.水素結合性強相関ゲル膜による核酸塩基の上り坂輸送
外部溶液中のpHを変化させることによって輸送物質とキャリヤーとの相互作用を制御し,本研究で得られたウラシルが導入された水素結合性強相関ゲル膜を用いて核酸塩基類の上り坂輸送を行った。その結果,ウラシルと相補的水素結合を形成するアデニンのみが濃度勾配に逆らって上り坂輸送された。また,その導入したウラシルキャリアー濃度に応じてアデニン輸送量も変化した。しかし,水素結合を形成しない核酸塩基はウラシル導入ゲル膜によってほとんど輸送されなかった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] T.Uragami, S.Yamamoto, T.Miyata: "Dehydration from Alcohols by Polyion Complex Cross-Linked Chitosan Composite Membranes during Evapomeation"Biomacromolecules. 4. 137-144 (2003)

  • [文献書誌] T.Uragami, K.Okazaki, H.Matsugi, T.Miyata: "Structure and Permeation Characteristics of An Aqueous Ethanol Solution of Organic-Inorganic Hybrid Membranes Composed of Poly (vinyl alcohol) and Tetraethoxysilane"Macromolecules. 35. 9156-9163 (2002)

  • [文献書誌] 宮田隆志: "多成分系高分子膜の構造と有機液体混合液の透過分離特性に関する研究(日本膜学会膜学研究奨励賞受賞論文)"膜(Membrane). 27. 188-195 (2000)

  • [文献書誌] T.Miyata: "Supramolecular Design for Biological Applications"N.Yui (Editor), CRC Press.. 409 (2002)

URL: 

公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi