研究概要 |
二つのコレステロール部と一つのジアセチレン部が二つづつのアルキレン鎖とウレタン結合でつながった構造の重合性有機ゲル化剤について分子構造とゲル化のおよび光重合性の関係について調べた。ゲル化を起こし光重合するために少なくともコレステリル基が1つあること、ウレタン部位が2つあることが必要条件であることが判明した。また、スペーサー部位の構造を変化させることでエタノールのような極性溶媒中でゲル化を起こす化合物が得られた。ゲルの構造については赤外スペクトル、透過型電子顕微鏡により、光重合性については核磁気共鳴スペクトル、重合度測定により解析を進めた。その結果、ゲル中ではウレタン結合は完全に水素結合していること、ゲルは10〜100nm程度の幅を有する細長いファイバー状分子集合体からなっていること、光重合はジアセチレン部が1,4位で付加して起こっていること、平均重合度は50程度であることが判明した。また、10〜15テスラの磁場下でゲル化し、その後重合することで配向した共役ポリマーのゲルが生成することが初めて明らかになった。
|