研究課題/領域番号 |
14046102
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
大島 隆義 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00134651)
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研究分担者 |
林井 久樹 奈良女子大学, 理学部, 助教授 (50180980)
千代 勝実 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助手 (80324391)
三田 一郎 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60242806)
山口 晃 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60004470)
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キーワード | タウ / レプトン / Lepton Flavor Violation / MCP / TTS / チェレンコフ / TOP |
研究概要 |
1.タウ・レプトンの物理 (1)CP/T非保存の探索として、タウ・レプトンの電気双極子モーメントの測定を行った。従来の実験精度を1桁上回る成果(|Re(d_τ)|<4.0×10^<-17>ecm)を得た。 (2)τ→μγを始めとするLepton Flavor Violationの探索を行った。どの崩壊モードもおよそ3×10^<-7>の分岐比上限値(信頼度90%)を得ることができ、世界ではじめて10^<-7>の感度に到達することができた。この結果は、標準理論を超える新しい物理で必要な超対称性粒子あるいはヒッグス粒子の質量と真空期待値の比に新たな制限を加える。 (3)τ→2πν過程のスペクトラル関数を実験データから導出し、μ粒子の異常磁気能率へのハドロン項の寄与に関する長年の課題に新しい高精度のデータ(a_μ^<ππ>(543.9±2.1(stat)±2.4(sys)±3.0(sys.ext))×10^<-10>)を与えた。 2.TOP counterの開発研究 (1)光学系の研究では、原理的な課題はすべて理解したと考える。focusing mirrorの不要な簡単化したTOP counterを発案し、実験およびシミュレーションを通じて動作可能であることを確かめた。また、実験によって屈折率の振動数依存性が時間分解能に及ぼす影響が当初の想定より大きいことが分かった。 (2)磁場中で稼動する光検出器としてMicro-Channel-Plate photo-tubeを研究した。ロシア製や浜松フォトニクス製を購入、テストしTTS=30-40psを達成した。次に、多チャンネル読み出しの試作機を作りTTS=40psを実現したが、cross-talk問題が現れた。しかし、1.5T で確実に稼動し、必要とする時間分解能が実現できることを確認した。
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