研究分担者 |
諸井 健夫 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (60322997)
棚橋 誠治 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (00270398)
山口 昌弘 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (10222366)
山田 洋一 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (00281965)
|
研究概要 |
1.超対称標準理論では一般にCP対称性を破る項が含まれ,なぜそれが小さいかという問題がある。この新たな解として、ヒッグス混合を与えるB項がダイナミカルに0となるような模型を提案した。また,スカラー3点結合とB項がプランクスケールで共に0のためCPの問題のない模型について,実験の制限と矛盾しないパラメータ領域の存在を示した。 2.超対称理論で一般に現れる次元5の陽子崩壊を起こす相互作用は,実験の制限から,著しく抑制されねばならないが,U(1)フレーバー対称性が存在すれば抑制が十分起こることを示した。この際,荷電レプトンへの崩壊分岐比が大きくなりうることを議論した。 3.超対称模型では,宇宙の進化が標準模型と一般には異なる。宇宙初期に大きなエネルギー密度を持つスカラー粒子の凝縮がある場合,宇宙の密度揺らぎ(特に宇宙背景放射の揺らぎ)が大きな影響を受ける可能性があることを指摘した。 4.超対称模型のパラメータを加速器実験で測定する方法について議論し,線形加速器においてはスカラートップ粒子の様々な性質を調べることで,重要な情報が得られることを指摘した。 5.超対称模型のスカラー粒子の自己エネルギーは一般にゲージに依存するが,それを除去すると都合の良い場合がある。これをピンチ技法によって除去する手法についての分析を行った。標準模型では現れない新たな不定性と,その解決策を論じた。 6.余剰次元を伴うゲージ理論で,カイラル対称性の破れを用いた現実的なトップ対凝縮模型の構築可能性が指摘されている。シュビンガー・ダイソン方程式を用い,対称性の破れの必要条件を解析した。4+2次元ではこれが不可能なことを示し,より高次元の場合を定量的に調べた。
|