研究課題/領域番号 |
14046205
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
山下 了 東京大学, 素粒子物理国際研究センター, 助手 (60272465)
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研究分担者 |
駒宮 幸男 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (80126060)
大谷 航 東京大学, 素粒子物理国際研究センター, 助手 (30311335)
三原 智 東京大学, 素粒子物理国際研究センター, 助手 (80292837)
佐貫 智行 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (70323491)
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キーワード | 電子陽電子衝突型加速器 / リニアコライダー / ヒッグス粒子 / カロリメター / 質量生成 / 自己結合 |
研究概要 |
平成14年度は、当初の計画のとおり、リニアコライダーにおけるヒッグス粒子自己結合定数の測定にむけ、以下の研究を行った。 1.multi-Higgs production過程の断面積の系統的計算 KEKの南建屋グループの開発した自動計算プログラムを用い、自己結合定数測定に対し理論的に許される最大感度を求めた。この研究は山下が提案し、KEKの岡田教授、栗原氏、安井氏、清浦氏、兼村氏らとの共同研究で行った。結果、自己結合定数の測定には高いエネルギーがより有利であるという結論を得た。結果は韓国での国際会議(LCWS2002)で発表し、大きな評価を得た。 2.リニアコライダー加速器のエネルギーを拡張する方法の研究 高いエネルギーが有利であることが判明したため、初期のエネルギーをいかにして拡張するか、方針を研究した。加速器シミュレーションソフトを用い、特にC-band加速器とX-band加速器を結合することが可能であることがわかり、7月に東京で行われたアジアのリニアコライダーの会議で佐貫が発表した。 あわせて、施設の設計での問題点を研究するため概略設計を開始した。 3.カロリメータに必要な性能の把握の準備 自己結合測定のためにカロリメータへの要求を具体的に示すために、シミュレーションのデータベース構築することをはじめた。自己結合測定のシグナル過程と主なバックグラウンドのサンプルを生成した。 4.国内研究者との研究方針の議論 研究の一環として、当初より予定していた通り国内大学を巡り、リニアコライダーにおける物理研究の方針を打ち立てた。神戸、東北、新潟、広島の各大学で詳細な研究打ち合わせをおこなった。 上記の結果は、リニアコライダー計画を示した計画書「JLC Project」に取り入れられ、2/12に行われたACFA LC Symposiumでも発表された。
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