研究課題
K_L→π^Oνν^^-を世界最高の3x10^<-10>の感度で探索するために、高エネルギー加速器研究機構において、E391a実験の準備を続け、2004年2月より実験を開始した。今年度の前半は、KL中間子の崩壊領域を覆う、32個からなる大型ガンマ線検出器(全長約6m)を制作した。これは鉛とシンチレータの積層構造であり、シンチレータからの光は、波長変換ファイバーを用いて読み出される。また、これらの大型ダンマ線検出器を支えるとともに、崩壊領域を真空に保つための大型真空容器の制作も行った。また、ガンマ検出器を自由に回転させて、この真空容器に取り付けるための大型治具も制作した。2003年11月から、ガンマ線検出器を取り付け始め、真空容器全体を組み上げた。また、真空容器内には、より良い真空を得るために作った多層膜の大型の風船を取り付けた。ガンマ線検出器、およびCsI結晶の電磁カロリメータからの信号を増幅する回路の改良を行い、昨年度問題であったDCオフセットの問題も解決した。2004年2月からは、予定どおりKLビームを出し、ビームの調整を行った。測定器はほぼ全て、順調に稼働しており、KL→3π0の崩壊も観測した。その後、真空容器を開け、問題の見つかった光電子増倍管の交換を行い、2月末現在、トリガーの調整を行っている。その後、6月末までビームを得、データを収集する予定である。また、J-PARCの50GeVの大強度陽子加速器を用いて、K_L→π^Oνν^^-を100事象以上観測するための実験の検討を、モンテカルロシミュレーションを用いて行った。
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