研究分担者 |
野村 正 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (10283582)
小松原 健 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助手 (30242168)
小林 正明 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 教授 (40013388)
笹尾 登 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10115850)
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研究概要 |
1,K^+→π^+νν稀崩壊モード分岐比測定 (1)BNL・AGSで昨年収集したデータに対して,引続き今年度も物理解析を進めた。K_<π2>崩壊のπ^1運動量より高い領域での探索を最近終え,3個目のイベントを見つけた。この結果,崩壊比は統計誤差を考えれば標準模型とコンシステントではあるが,中心値は依然として標準模型の予想値の約2倍を保ったままとなり,状況はさらに興味深くなってきた。 (2)K_<π2>崩壊の下の運動量領域での解析は引続き進められている。 2,荷電K中間子稀崩壊実験(BNL/FNAL/J-PARC)の準備研究 (1)静止標的周りのγ線検出器,シリコンストリップ検出器,高速波形記録回路の開発を順調に進めた。 (2)データ読出しの高速・並列化のために,シリアルデータラインを用いた全く新しいシステムの開発を開始した。今年度はスイッチシステムとシリアルデータリンクによるデータ収集システムのプロトタイプを開発した(2004年秋のIEEEに投稿予定)。 (3)飛行崩壊での稀崩壊実験のために,数10メートルの真空パイプ中に設置するサンドイッチ型カロリメータ用溝付プラスチックシンチレータを射出成型によって製作する試みを,FNAL・BNLと共同で進めた。精度の良い第1段階のプロトタイプを作る事に最近成功した。 3,中性K中間子の実験準備(BNLでのKOPIO実験準備) (1)稀崩壊過程をバックグラウンド事象から弁別するために,ビーム中やビームパイプ周辺の領域で使用可能な光子・荷電粒子検出器を中心に建設準備・開発をすすめた。 (2)実際に使用するサイズの大型光子検出器の設計を行なった。また、エアロジェル用評価装置を開発したので、性能の素早い確認と,品質保持を行うことが可能となった。 (3)荷電粒子検出器の設計の指針となる基礎データを収集した。
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