研究分担者 |
小林 正明 大学共同利用機関法人, 高エネルギー加速器研究機構・素粒子原子核研究所, 名誉教授 (40013388)
小松原 健 大学共同利用機関法人, 高エネルギー加速器研究機構・素粒子原子核研究所, 助教授 (30242168)
野村 正 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (10283582)
笹尾 登 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10115850)
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研究概要 |
1.K+崩壊の解析研究 pi(+)nu nu稀崩壊の研究では,BNLで収集した1.8x10**12の静止K中間子のデータ解析を進めた結果,E787で発見した2事象に加えて新たに1事象を発見し,分岐比として(1.47+1.30-0.89)x10**-10を得た。この結果は標準理論の予想値の約2倍を示しているが,誤差を考慮すると標準理論と矛盾しない結果となった。これらの研究結果をPRLに"pi(+)nu nu Improved Measurement of the Decay K(+)→pi(+)nu nu"の論文として出版した。また,K(pi2)より低いpi(+)運動量を持つpi(+)nu nu崩壊測定に関する解析も進めPR(D)に"Further search for the decay K(+)→pi(+)nu nu in the momentum region P_(pi(+))<195MeV/c"の論文として出版した。 2.次期のK+稀崩壊実験のための測定器開発 1)シリコンストリップ測定器の実装に関わるノイズ除去の研究を行った。 2)dead-timeの無いFADC-DAQシステムの開発を進めた。 3)レンジカウンターの開発のためにプロトタイプを製作した。 4)高性能ガンマ線検出器のための射出成型シンチレータや結晶シンチレータの開発を行った。 3.中性K中間子の実験準備 中性K中間子稀崩壊の精密測定に関する研究では、引き続き次世代実験のための検出器開発をおこなった。特に中性ビーム中に設置する光子検出器に関しては、構成要素の評価システムの構築と実サイズのプロトタイプの建設を行い、現在組み立てと評価を待っている。また、荷電粒子検出器の開発では、光量子効率を持つ光電子増倍管の基本性能測定とシンチレーターと組み合わせた際の検出光量評価をおこなった。
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