昨年度末から今年度初めにかけて実施されたTAMA300とLIGO干渉計との同時観測データの解析を進めるとともに、次の同時観測に向けてより一層の運転自動化やデータ取得・解析環境の整備を進めた。また、TAMA300の感度を制限している雑音源の特定を目指す各種試行実験を継続中である。それに並行して、低周波防振SASの製作を開始し、評価実験を行いながらTAMA300への導入準備を進めている。具体的には、 1 米国LIGO干渉計群との2ヶ月間の同時観測を昨年度末の2月中旬から4月中旬まで実施して、TAMA300は干渉計中で最も高い80%以上の稼働率を記録した。得られたデータの解析は他の計画研究(代表:神田)と協力して進め、連星合体のみならず、ブラックホール形成時の準固有振動や突発的な超新星爆発等に対する重力波の解析を行った。 2 TAMA300の一層の自動運転化やリモート観測体制の整備を進めた結果、11月下旬から1月上旬までの米国LIGOや独英GEOとの同時観測では、リモート監視者1名のみの無人運転が可能となり、従来より高感度で安定な観測データを得ることができた。 3 TAMA300の最高感度周波数帯で制限となっている雑音源を特定するための実験を開始し、マイケルソン干渉部での散乱による多重パスの影響が要因の一つであることを確認した。 4 低周波防振SASの実機製作を行うとともに、プロトタイプを用いて性能評価のための実験を行った。
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