研究課題/領域番号 |
14048103
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
奥山 喜久夫 広島大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00101197)
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研究分担者 |
坂本 和彦 埼玉大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (20111411)
東野 達 京都大学, 大学院・エネルギー科学研究科, 助教授 (80135607)
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キーワード | 大気エアロゾル / 無機エアロゾル / 含炭素エアロゾル / 二次粒子生成・成長機構 / 有機炭素(OC) / 元素状炭素(EC) / 化学組成 / 光学特性 |
研究概要 |
本調整研究は、3つの計画研究と公募研究からなり、それぞれの計画研究の研究実績は以下のとおりである。 1.無機エアロゾル測定法の開発と性状特性の解明(東野担当) ・SR-X線分光顕微鏡を用いた個別粒子のサイズ、化学状態の非破壊測定はビームサイズ3μmまでを達成し、μ-XRFとμ-XANESによる超微量元素濃度・化学状態の同定に成功した。 ・高分子ポリマーレプリカ法による霧や雨粒などの固定化・安定化法をほぼ確立し、SR-X線分光顕微鏡を用いた個別液滴中の元素の同定、化学状態の非破壊測定が可能となり、単分散標準液滴による検量・定量化の評価を進めている。 2.含炭素エアロゾル測定法の開発と性状特性の解明(坂本担当) ・エアロゾル中の有機炭素(OC),元素状炭素(EC)の分析において粗大粒子中のタイヤダストが存在することを解明した。 ・熱分離過程で炭化・生成するECと光学的に補正されるものは同一ではないこと、光学的測定によってECの高感度測定が可能であるが、試料量の調整が必要なことが明らかになった。 ・(NH_4)_2SO_4を内核とするシュウ酸/アジピン酸を被覆した外部混合粒子を発生させ、その湿度変化から、外部混合粒子は(NH_4)_2SO_4単独成分粒子よりも低い相対湿度で粒子成長を開始することを解明した。 3.二次粒子生成・成長機構の解明(奥山担当) ・混合型の凝縮核計数装置、粒子拡大装置およびファラディーカップ電流計を製作し、計測が可能なエアロゾルのサイズ範囲を明らかにした。大気エアロゾルの発生初期での挙動を理解するために、新しい荷電装置を開発した。また、シリカ/カーボン複合粒子の有効複素屈折率を測定し、複素屈折率の実数部と虚数部は複合粒子中カーボン量の増加と共に大きくなることを明らかにした。 ・気液の取り込み過程の標準的な実験方法の一つである液滴法に対して理論的な検討を加え、その問題点を明らかにした。
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