研究課題
元素状炭素ECと有機炭素OCの物理・化学的性状特性は大きく異なり、OCとECの正確な分別測定は本課題の最終的成果を左右する。そのため、OC・ECの分析で問題が多かった測定中の主要アーティファクトである炭化の補正が可能な熱光学的炭素分析計を用いて、炭素分析条件の検討を行った。特に、ECは溶媒抽出されないこと、炭化はOCの測定中に発生することを考慮し、溶媒抽出によりあらかじめOCを除いたもののECを定量する事により、OC定量中の炭化影響の低減について検討した。有機炭素エアロゾルの物理・化学的性状は、その粒径や吸湿性に大きく依存するため、有機炭素の物理・化学的性状特性把握のためには、極性有機物の測定と、それぞれの極性有機物の吸湿性や湿度変化に伴う粒径分布の変化に関する情報が必要である。本研究では極性の有機酸の熱分解-エステル化を行うとともにGCへの試料導入を同時に行う測定法により、有機酸の挙動を調べた。また、大気中におけるカルボニル基やヒドロキシル基、カルボキシル基といった置換基を単一、もしくは複数持つ様々な有機酸類の定量分析を行う手法の開発を行った。同定された主要ピークは、バイオマス燃焼由来の水溶性有機粒子のレボグルコサンであった。有機炭素エアロゾルの物理・化学的性状は、その粒径や吸湿性に大きく依存するため、有機炭素の物理・化学的性状特性把握のためには、SO_2由来の既存粒子上に極性有機酸(蓚酸)を被覆させ、複合粒子の発生を検討した。
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