研究課題/領域番号 |
14048210
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 独立行政法人国立環境研究所 (2004-2005) 静岡大学 (2002-2003) |
研究代表者 |
大原 利眞 独立行政法人国立環境研究所, PM2・5・DEP研究プロジェクト, 総合研究官 (80313930)
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研究分担者 |
瀬野 忠愛 静岡大学, 工学部, 助教授 (60135241)
内山 政弘 独立行政法人国立環境研究所, 大気圏環境研究領域, 主任研究員 (20160294)
泉 克幸 東洋大学, 工学部, 教授 (70132842)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2005
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キーワード | エアロゾル / 乾性沈着 / 乾性沈着フラックス / REA法 / 数値モデル / 将来予測 |
研究概要 |
大気エアロゾルの除去過程の一つである乾性沈着は、エアロゾルの動態に深く関係すると同時に、酸性沈着の重要な部分を占め植生や土壌環境に大きく影響する。しかしながら、気象条件、沈着表面の性状、粒子やガスの種類・性状などに依存するため測定が難しく、系統的な知見は得られていない。そこで本研究は、(1)観測によりエアロゾルの乾性沈着メカニズムを明らかにすること、(2)東アジアスケールモデルを用いて、乾性沈着を含む酸性沈着量の現状把握・将来予測をすることを目的として実施した。主要な成果は以下のとおりである。 1.緩和渦集積法(REA法)を用いたエアロゾル乾性沈着測定システムを開発し、裸地及び雪面上のエアロゾル乾性沈着量を測定して乾性沈着速度を算出した。裸地で観測された乾性沈着速度は0.4〜6.0cm s^<-1>となり、既往研究の範囲内であった。本研究で開発したREA法は、エアロゾルの乾性沈着フラックス測定法として有効であると考えられるが、今後、観測事例を増やし、実際の沈着量測定に有効かどうか検証する必要がある。 2.東アジアスケールモデルを用い、SO_4^<2->とNO_3^-のソース・リセプター関係を年間解析した。その結果、日本の沈着量のうち、中国排出量による寄与が49%(SO_4^<2->)と34%(NO_3^-)にも達すると評価された。更に、中国の寄与率は、経年的に増加している可能性が示唆された。 3.2020年における3種類の排出シナリオを設定し、酸性沈着量の将来変化を予測した。中位の排出シナリオでは、中国における2020年の排出量は2000年に比べて、SO_2は11%減少するが、NOxは逆に41%増加する。この結果を反映して、東アジアにおけるNO_3^-の地上濃度・沈着量は将来、増加する。SO_2排出量も、アジア全体では増加するため、東アジアのSO_4^<2->沈着量は将来的にやや増加する。
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