研究課題/領域番号 |
14048216
|
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
奥山 喜久夫 広島大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00101197)
|
研究分担者 |
幸田 清一郎 上智大学, 理工学部, 教授 (10011107)
島田 学 広島大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (70178953)
|
キーワード | 粒子生成機構 / 凝縮核計数装置 / 粒子拡大装置 / ファラディーカップ電流計 / 荷電装置 / ナノ粒子 / 液相エアロゾル粒子 / 液滴法 |
研究概要 |
平成15年度の研究実績は以下のとおりである。 (1)微量汚染ガスからのエアロゾル発生の初期過程を明らかにするためにはできるだけ小さい粒子径まで測定可能な装置が必要であるために、汚染ガスからのエアロゾルの初期過程である大きさが1ナノメートルオーダのクラスターまで計測が可能なイオンおよびナノ粒子の計測装置として、混合型の凝縮核計数装置、粒子拡大装置およびファラディーカップ電流計を製作した。その性能を実験的に評価して計測が可能なエアロゾルのサイズ範囲を明らかにした後、この計測装置を用いて微量汚染ガスからのエアロゾルの生成のモデル実験と大気環境下での微粒子の生成・成長の測定を行った。また、静電気力を利用した静電分級測定装置の性能向上のために、微粒子の荷電現象の研究を行い各種の環境条件下での特性を評価したうえで、優れた性能を持つ新しい荷電装置を開発した。 (2)ガスから微粒子への変換、および微粒子の成長過程には大気中の微量化学種や水分子などの固体、液体表面への取り込みの速度論的知見が重要である。多用されている液滴列を用いた測定法に対して流体力学的解析を行い、取り込み測定には、これまで十分には考慮されていなかった流れ場での物質移動と液滴粒子間の相互作用の考察が不可欠であることを示し、これらの寄与の解析法を提案した。これを用いて水表面への水分子の取り込みに関して検討を行い、取り込みに対する適応係数は1に近いとの結果を得た。一方、氷表面などへの取り込みの速度過程と表面化学種の赤外分光、光化学過程の同時的測定が可能なシステムを構築し、水やNO_x分子の取り込み測定を開始し、水自体の取り込みについてはその取り込み係数に関し、定量的な結果を得た。
|