研究課題
海洋エアロゾルは、気候変動、物質循環の分野において重要で、近年多くの観測が行われているが、いまだ測定上の問題が残っている。粒径分布の測定では測定システムの温湿度変化の問題、化学成分測定においては試料採集中の捕集されたエアロゾル変質(気体の吸着や粒子の気化)問題などが挙げられる。本研究の目的は、これらの問題を解決し、より正確に粒径分布や化学成分の測定を行い、海洋エアロゾルの性状とその分布を調べることにある。平成16年度は主に、・都市および海洋大気エアロゾルの湿度特性の測定(三浦)・個別粒子の内部混合状態の測定(三浦)・硫酸塩、硝酸塩のリアルタイム測定(植松)・洋上ラドンの水平分布の測定(児島)を行った。また、平成16年は以下の観測を行なった。2004年3月4日〜22日 白鳳丸KH-04-1航海(日本南方黒潮周辺)、(植松、三浦)2004年7月13日〜8月25日 白鳳丸KH-04-3航海(西部北太平洋)、(植松、三浦)2004年11月17日〜12月10日 みらいMR04-07航海(西部北太平洋)、(三浦)以下、主な結果を示す。1.海洋大気の湿度特性は、陸の影響を受けるにつれ、成長率、成長粒子の割合が減少した。海洋エアロゾルの非水溶性粒子の割合は1割以下、内部混合している粒子は半分ほどあった。2.黄砂時には硫酸塩に関連する粒子が2〜3倍に増加した。また、混合粒子は非黄砂時に比べ2〜3倍に増加した。3.太平洋沿岸域における大気エアロゾルおよび海洋表層懸濁粒子中の金属元素濃度を同時測定した結果、鉱物起源元素であるAlとFeは、海洋表層において低い溶解度をもつこと、黄砂期間中には巨大粒子の割合が増加し、高い沈降速度をもつことが示唆された.
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