研究概要 |
平成14年度の成果は以下にまとめる. 1.衛星データを用いた大気エアロゾル特性の導出精度向上 衛星搭載偏光センサーデータ(ADEOS/POLDER)を用いて,対流圏エアロゾル粒子特性導出に際し,偏光情報の有効利用と地表面反射光の偏光を考慮する事により,陸域エアロゾル特性の導出精度を向上させた. 2.衛星データを用いた雲特性の導出 衛星搭載偏光センサーデータ(ADEOS/POLDER)を用いた雲特性(雲域識別,水雲・氷雲の判別,雲粒サイズ,雲の光学的厚さ,雲頂・雲低)の導出. 3.衛星データを用いた大気水蒸気量の導出 衛星データ(ADEOS/POLDER, OCTS)を用いた海陸上空大気水蒸気量の導出. 4.全球規模での各大気量の相互関係の考察 大気エアロゾル粒子密度と雲特性(雲粒サイズ,雲の光学的厚さ,雲粒子密度,雲水量),大気水蒸気量の相関を全球規模で考察し.次の結論を得た. (1)エアロゾル粒子数と雲粒サイズは逆比例する. (2)エアロゾル粒子数と雲粒粒子数は比例する. (3)エアロゾル粒子数と雲の光学的厚さは比例する. (4)エアロゾル粒子数と雲水量,水蒸気量には相関は見られない. 対流圏エアロゾルの雲核としての間接効果が定量的に実証された. 5.大気エアロゾルの地上観測 和歌山県白浜(AERONET),東大阪(AERONET, SKYNET),長崎県福江島(新規SKYNET),石川県柳田村(AERONET臨時サイト)の4ヶ所にて放射計を設置・運用を行い,エアロゾルの連続観測を実施した.観測結果は,NASA/AERONET(白浜,能登,東大阪),SKYNET(福江,東大阪>としてWeb上でデータが公開が行なわれている.(AERONET ; http://aeronet.gsfc.nasa.gov, SKYNETは準備中)
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