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2002 年度 実績報告書

ライダーによるエアロゾル性状の空間分布測定

研究課題

研究課題/領域番号 14048232
研究機関独立行政法人国立環境研究所

研究代表者

杉本 伸夫  独立行政法人国立環境研究所, 大気圏環境研究領域, 室長 (90132852)

研究分担者 村山 利幸  東京商船大学, 商船学部, 助教授 (50200308)
柴田 隆  名古屋大学, 大学院・環境科学研究科, 助教授 (70167443)
清水 厚  独立行政法人国立環境研究所, 大気圏環境研究領域, 研究員 (90332238)
キーワードエアロゾル / 微粒子 / ライダー / ラマンライダー / 偏光解消度 / 大気境界層 / 気候変動 / リモートセンシング
研究概要

東アジア域のエアロゾル性状の空間分布を把握するために、2波長偏光ライダーネットワークによる連続観測と、ラマンライダー等による光学特性の精密測定の2つのアプローチで観測研究を行った。前者により、エアロゾルの発生、輸送の全体像をイベントスケールで把握し、その中で後者により光学特性を詳細に把握することをねらいとする。連続観測は、これまでに国立環境研究所が展開している、つくば、長崎、北京などに加え、新たに中国の合肥にライダーを設置した。10月末から連続観測を開始し、航空機観測班による中国沿岸部の集中観測期間を含むデータを得た。2001年から連続データのある、つくば、長崎、北京について、春季のエアロゾル偏光解消度および消散係数プロファイルを統計的に解析した。これによって、2001年と2002年の黄砂の特徴などを明らかにした。また、偏光解消度を利用して黄砂と大気汚染エアロゾルを分離してそれぞれのプロファイルを推定する手法を開発し、化学輸送モデル(CFORS)によるシミュレーション結果と比較した。この結果、大きな時間空間スケールの分布についてはCFORSが黄砂、大気汚染エアロゾルともに観測を定性的に概ね再現することが分かった。また、偏光ライダーの時系列データが化学輸送モデルの検証に有効であることが示された。一方、ラマンライダーによる観測を名古屋大学および東京商船大学において行った。ラマンライダーは、エアロゾルの消散係数と後方散乱係数を、仮定を置くことなく決定できるためエアロゾル光学特性の測定の非常に有効な手法である。黄砂および森林火災のプルームと推測されるいくつかのケースについて観測を行った。この他、山岳部の観測をサポートするための小型ライダー(シーロメータ)による大気境界層の観測を乗鞍岳において行った。山頂付近が日中、大気境界層内に入るケースなどの観測結果が得られた。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Sugimoto, N., Uno, I., et al.: "Record Heavy Asian Dust in Beijing in 2002:Observations and Model Analysis of Recent Events"Geophysical Research Letters. (in press). (2003)

  • [文献書誌] Sugimoto, N., Matsui, I., et al.: "Observation of dust and anthropogenic aerosol plumes in the Northwest Pacific with a two-wavelength polarization lidar on board the research vessel Mirai"Geophysical Research Letters. 29,10. 1901-1904 (2002)

  • [文献書誌] 杉本伸夫, 松井一郎, 清水 厚, 他: "ライダーネットワークによる黄砂の立体分布の計測"環境と計測技術. 29,8. 18-23 (2002)

  • [文献書誌] Liu, Z., Sugimoto, N., et al.: "Extinction-to-backscatter ratio of Asian dust observed with high-spectral-resolution lidar and Raman lidar"Applied Optics. 41. 2760-2767 (2002)

  • [文献書誌] Sakai, T., Shibata, T., et al.: "Raman lidar and aircraft measurements of tropospheric aerosol particles during the Asian dust event over central Japan : case study on 23 April 1996"Journal of Geophysical Research. (in presss). (2003)

  • [文献書誌] 鵜野伊津志, 村山利幸, 他: "地域気象モデルと結合した黄砂輸送モデルの開発と1998年4月の黄砂シミュレーション"天気. 50. 17-29 (2003)

  • [文献書誌] 村山利幸: "竹内均監修,地球環境調査計測事典 第1巻陸域編(1),第4章第1節1-1レーザーレーダーによる混合層の観測(調査事例)"フジ・テクノシステム. 3 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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