研究課題/領域番号 |
14048232
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研究機関 | 独立行政法人国立環境研究所 |
研究代表者 |
杉本 伸夫 独立行政法人国立環境研究所, 大気圏環境研究領域, 室長 (90132852)
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研究分担者 |
清水 厚 独立行政法人国立環境研究所, 大気圏環境研究領域, 主任研究員 (90332238)
柴田 隆 名古屋大学, 大学院・環境学研究科, 助教授 (70167443)
村山 利幸 東京海洋大学, 海洋工学部, 教授 (50200308)
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キーワード | エアロゾル / 微粒子 / ライダー / ラマンライダー / 偏光解消度 / 大気境界層 / 気候変動 / リモートセンシング |
研究概要 |
ミー散乱ライダーネットワークによる東アジア地域のエアロゾルの動態把握と、高機能のラマン散乱ライライダー等によるエアロゾルの光学特性の精密観測のふたつの方法で研究を進めた。ネットワーク観測では、2波長(1064nm,532nm)の後方散乱および偏光解消度(532nm)の高度分布を連続的に観測し、球形および非球形エアロゾルの時間高度分布を多地点で連続して取得した。観測結果を、領域化学輸送モデルCFORSと比較することによって、イベント毎にエアロゾルの動態を解析した。ライダーで観測された対流圏下部の非球形エアロゾルと球形エアロゾルの分布は、CFORSで計算算された黄砂と大気汚染エアロゾル(硫酸塩、ブラックカーボン、有機カーボン)の分布で定性的にほぼ解釈できることが示された。また、高度分布や高濃度大気汚染時の消散係数などはモデルでの再現性が悪く、モデルの空間分解性能等に起因する問題がある点も明確になった。 2005年4月には、ネットワークの複数の地点で、高度3-5kmの自由対流圏に薄いダスト層が観測された。CFORおよび地球規模のダストモデルNAAPSおよびSPRINTARSと比較することによって、この層はサハラ砂漠から輸送された砂塵であると推定された。 ネットワーク観測で得られたデータは、航空機観測や山岳での観測などの解析において大気構造や、エアロゾル分布状況に関するデータとして利用された。また、北京のライダーで得られた黄砂と大気汚染エアロゾルのデータを金属元素の分析と比較し、時間変化に相関があることなどが示された。 一方、多波長ラマンライダーでは、典型的黄砂および平常時のエアロゾルについて、後方散乱係数、消散係数、ライダー比のプロファイルを測定するとともに、インバージョン法による有効粒径、単散乱アルベドの導出を試みた。また、ライダー比の季節変化などの系統解析を行った。
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