研究課題/領域番号 |
14050023
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | (財)神奈川科学技術アカデミー (2003-2006) 東京大学 (2002) |
研究代表者 |
藤嶋 昭 財団法人神奈川科学技術アカデミー, 重点研究室, 理事長兼室長 (30078307)
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研究分担者 |
村上 武利 財団法人神奈川科学技術アカデミー, 重点研究室、光触媒グループ, 上級研究員 (40392930)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2006
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キーワード | 光触媒 / 酸化チタン / セルフクリーニング / 可視光応答型光触媒 / ナノファイバー / ナノシート / 色素増感太陽電池 / 水処理システム |
研究概要 |
太陽エネルギーの有効利用における重要な技術の一環として、酸化チタンの光機能界面特性の応用による数多くのデバイスが研究されている。本研究ではそのようなデバイス群の中においても特に重要な役割を果たすと考えられる以下の研究を行った。 色素増感太陽電池の作製プロセスの開発: 現在、湿式型色素増感太陽電池では、電解液を使用しているため安定性・耐久性の面で実用上問題がある。電解液の代わりにp型半導体であるヨウ化銅とヨウ化銅結晶の微細化剤としてトリエチルアミンヒドロチオシアネートを用い、酸化チタンの多孔質膜を充填し完全固体型色素増感太陽電池を作製した。ヨウ化銅自動塗布装置によって作製された完全固体型色素増感太陽電池で再現性のある光電変換効率が確保された。 低反射率セルフクリーニングガラスの研究: 光触媒のセルフクリーニング性を活用し、ガラスの汚れを防止する場合、酸化チタンは屈折率が大きく、光を反射してしまうため、ガラスの光線透過率を低下してしまう欠点があった。これを解決するために、SiO_2粒子とナノサイズのTiO_2微粒子とを用いて低反射率セルフクリーニングガラスの開発を行った。その結果、ガラス基盤上にTiO_2-SiO_2二重層をコーティングする事に成功し、得られた二重層コーティング試料は97%以上の最大光線透過率および優れたセルフクリーニング機能を示す事が分かった。 光触媒を利用した水浄化リアクターの研究: 光触媒水浄化リアクターは一度に10リットルの水を処理でき、連続した水の流れの中で使用できる。このリアクターによって再現性のあるチオニン溶液の分解が確認された。 酸化チタンナノファイバーに関する研究: TiO_2-SiO_2ナノコンポジットファイバーは、高い光触媒性と熱安定性、低熱膨張特性が期待できる優れた材料である。本研究では、Ti源にP-25(日本エアロジル)、Si源にTEOS(Tetraethoxy-silane)-PDMS(Polydimethylsiloxane)複合ゾルを用いた新規調整法によるTiO_2-SiO_2ナノコンポジットファイバーの研究開発を行った。その結果、高い機械的強度を示す直線的なTiO_2-SiO_2複合鎖で構成されるSiO_2ファイバーにTiO_2ナノ微粒子が埋め込まれた直径500-700nmのTiO_2-SiO_2ナノコンポジットファイバーの開発に成功した。
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