研究課題
(1)酸化チタンベースの可視光応答材料の創製とその活性向上アニオンドープ酸化チタンの活性とバンド構造(電子状態密度)との相関を明らかにした。その結果、導入したアニオンp軌道と酸化チタンの酸素p軌道との混成が重要なポイントと考えられるため、第一原理計算により電子状態密度を算出し、混成状態を制御することによって更なる活性向上の検討を行った。酸素サイトにのみ注目してきたが、本年度はチタンサイトにも注目した。酸素サイト窒素およびチタンサイトタンタルを同時に置換すると、ドーパントである窒素イオン、タンタルイオンの結合-反結合軌道により、窒素準位が正電位側にシフトし(低エネルギー側にシフトし、価電子帯に近づき)導入された窒素p軌道と価電子帯を形成する酸素p軌道が混成することが電子状態密度計算結果によって示唆された。実際、薄膜を作製して電気化学的評価を行ったところ、計算結果の示唆と一致した。(2)新規可視光応答材料の探索と創製固体電子論の立場から、新たな可視光応答型光触媒材料を探索し、デラフォサイト型α-AgGaO2に注目した。α-AgGaO2を作製、評価し、可視光活性が高いことを示した。この結果から、分散性の大きな価電子帯を形成し、正孔移動度を高めることが、可視光活性向上に寄与することを示した。
すべて 2005 その他
すべて 雑誌論文 (6件)
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