研究課題/領域番号 |
14050026
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
瀬川 浩司 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (50216511)
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研究分担者 |
小川 桂一郎 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (50114426)
村田 滋 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (40192447)
城田 秀明 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助手 (00292780)
栗原 和枝 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (50252250)
山内 清語 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (10127152)
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キーワード | ポルフィリン / J会合体 / 分子磁性体 / スピン / エキシトン / 高分子 / ポリマー / 蛍光プローブ |
研究概要 |
本研究では、ナノ構造を持つ分子組織体に着目し、これらの電子遷移過程のダイナミクスを研究するとともに、界面機能材料への展開を試みる。今年度は、ポルフィリン誘導体を配列した分子組織体のうち、ポルフィリンJ会合体の構造と機能、ならびに、メソ位直結型ポルフィリンアレイπラジカルのスピン整列を中心に研究を行った。まず、水溶性置換基を持たない多数の非水溶性ポルフィリンが、硫酸水溶液とポルフィリン非水溶液との液液界面や気液界面でプロトン化したのち自己組織化し、J会合体ナノクリスタルを生じることを明らかにした。このJ会合体のS_1励起子のエネギーレベルは系統的に制御できることを明らかにした。また、これらのJ会合体を用いた界面修飾の目的でポルフィリンJ会合体LB膜の作成に成功した。プロトン化した水溶性ポルフィリンは、大きな疎水平面をもつ双性イオンであり、疎水性相互作用と静電的相互作用のバランスが整えばJ会合体を生じる。われわれは、高分解能電子顕微鏡でその構造を明らかにするとともに、光導電性と電子伝導性について検討した。一方、ポルフィリン金属錯体やπラジカルを配列した分子系は、スピン機能材料として有望である。メソ位直結型ポルフィリンアレイは、隣接するポルフィリン環が直交配向しπラジカル軌道の直交性の観点で大変興味深い。われわれは、これらの2〜4量体のπラジカルが、多重項ESRを与えることを明らかにした。また、これらの特異な温度依存性を明らかにした。
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