研究課題/領域番号 |
14050026
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
瀬川 浩司 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (50216511)
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研究分担者 |
小川 桂一郎 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (50114426)
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キーワード | 超分子化学 / 光物性 / 表面・界面物性 / 太陽電池 / 自己組織化 / ポルフィリン / πラジカル / J会合体 |
研究概要 |
本研究では、界面を構成する要素としてさまざまな「分子組織体」をとりあげ、その光物理化学的挙動を解明するとともに界面物性制御材料への展開を試みた。具体的には、光エネルギー変換機能を担うポルフィリン類に代表されるπ共役系分子や、単分子膜などを材料として用い、生物の光合成系に匹敵する高効率光エネルギー変換系や、将来のナノデバイスへの展開を視野に入れた界面物性制御材料の創製をめざした。その中で、ポルフィリンJ会合体やH会合体に代表される長周期秩序配列構造がもたらす多様な光物性や、それらが特殊な界面環境に置かれることによって発現する機能を研究した。最終的には、これらの機能を用いた光デバイス、電子デバイス、スピンデバイスなどへの展開を試みた。界面で起こる相互作用は自発的に起こる分子の自己組織化とも関連が深く、本研究では自己組織化能を持つ多様な分子を界面物性制御に用いる点に特徴がある。具体的には以下の通りである。 ポルフィリンJ会合体の構築と光電子機能 (1)ポルフィリンJ会合体の励起エネルギー移動と光誘起電子移動 分子配列構造の異なるポルフィリンJ会合体の励起エネルギー移動について検討した。また、種々のポルフィリンを用いて、ポルフィリンJ会合体LB膜を作成した。特にステアリン酸をスペーサーに用いて、エネルギー移動を調べ長距離のエネルギー移動を明らかにした。 (2)ポルフィリンJ会合体ナノワイヤーの電子電導挙動と光導電性 ポルフィリンJ会合体ナノワイヤーを化学ドーピングすることにより、J会合体π-ラジカルを生成させ、その導電挙動を検討した。その結果導電性が現れることを見出した。 メソ位直結型ポルフィリンアレイのスピン制御機能 (1)非対称ポルフィリンアレイのスピン整列 直結型ポルフィリンアレイについて光照射によりπ-ラジカルを生成させ、そのスピン整列を検討した。また酸化チタンに連結した非対称ポルフィリンアレイの分子内電子移動をレーザーフォトリシスで調べCT状態を確認することができた。
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