研究課題/領域番号 |
14050028
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
立間 徹 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (90242247)
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研究分担者 |
相楽 隆正 長崎大学, 大学院・生産科学研究科, 助教授 (20192594)
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キーワード | 光触媒 / 酸化チタン / カソード分離型 / エネルギー貯蔵 / 酸化タングステン / 非接触酸化 / リソグラフィー / フルカラーフォトクロミック |
研究概要 |
酸化チタン光触媒は、有機物の分解、抗菌、金属の防錆などの機能を示す。しかし光触媒の反応機構にはまだ不明な点も多いため、これらを明らかにし、得られた知見を基に新しい光触媒システムを開発することをめざしている。光触媒の気相中での反応に関し、光触媒表面にイオン伝導性を与えることにより、酸化サイトと還元サイトのmmレベルの分離が可能になった。これに基づき、カソード分離型光触媒を開発した。多孔性の無機導電性材料の片面に酸化チタンを被覆し、酸化チタン側から紫外光を照射した際、反対側で還元反応が優先的に起こることが明らかとなった。光触媒と固体との電子授受と、エネルギー貯蔵への応用に関しては、酸化チタンの光照射により生じた還元エネルギーを酸化タングステンに貯蔵する際の、充電速度、充電容量、自己放電速度などについて検討した。また、自己放電過程において過酸化水素が生成し、それによって抗菌作用を光照射停止後も維持できることが明らかになった。また、リンタングステン酸や酸化モリブデンも、エネルギー貯蔵材料として機能することを見出した。光触媒の非接触酸化反応に関しては、光触媒リソグラフィー法の解像度が、5μmより優れていることを明らかにした。その他、酸化チタンと銀のナノ粒子を組み合わせた新しいフルカラーフォトクロミック現象を見いだした。始めは褐色をしているが、単色の可視光を照射すると材料がその色に変化し、紫外光を照射すればまた褐色に戻ることを見いだした。
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