研究課題/領域番号 |
14050028
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
立間 徹 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (90242247)
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研究分担者 |
坂井 伸行 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (70431822)
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キーワード | 光触媒 / 酸化チタン / エネルギー貯蔵 / 非接触酸化 / 光触媒リソグラフィー / 多色フォトクロミズム / 金属ナノ粒子 / プラズモン光電気化学 |
研究概要 |
非接触酸化反応と光触媒リソグラフィー法については、その主な機構を解明した。光触媒上で生成し、気相へ拡散したH_2O_2がUVにより解離して・OHを生じ、これが反応に寄与するというものである。また、非接触酸化反応を光触媒リソグラフィー法に応用し、マルチチャンネルバイオセンサーアレイの開発などに利用した。 固体との電子授受とエネルギー貯蔵型光触媒に関しては、TiO_2からWO_3、MoO_3などへの、光励起電子の移動やそれに伴うプロトン輸送にっいて調べ、電子貯蔵の量子収率や貯蔵容量、吸着水の影響などを調べた。また、光励起されたTiO_2の正孔へ、Ni(OH)_2などから電子移動が可能なことを示した。TiO_2-Ni(OH)_2積層膜は、酸化エネルギー貯蔵型光触媒として、夜間にもホルムアルデヒド除去などの機能を維持できると考えられる。貯蔵機構を解明しつつ他の貯蔵材料を探索した結果、IrやRuの酸化物を用いると、より高い酸化力が得られることが示された。 金属ナノ粒子-半導体系のプラズモン光電気化学に関連しては、Agナノ粒子-TiO_2系の多色フォトクロミズムを見出し、その機構解明を進め、金属ナノ粒子-半導体複合系における電荷分離が重要であることを見出した。この電荷分離過程は、太陽電池や光触媒にも応用できる。また、Agナノ粒子をTiO_2単結晶上に析出させ、単色光照射時の粒径分布の変化とスペクトル変化との間に相関があることを明らかにし、入射単色光と共鳴するAg粒子の溶解と、共鳴しないAg粒子の析出・成長がスペクトル変化をもたらしていることがほぼ裏付けられた。 その他、電解析出によりAuナノ構造を作製し、ナノピラミッド構造が、広い波長域にわたってプラズモン共鳴特性を示すことを明らかにした。光により膨潤・収縮する新しい光電気化学アクチュエータ/光変形材料や、細胞の走光性を利用したバイオセンサも開発した。
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