研究課題/領域番号 |
14050043
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研究機関 | 長岡技術科学大学 |
研究代表者 |
野坂 芳雄 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (30134969)
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研究分担者 |
村上 能規 長岡技術科学大学, 工学部, 助手 (70293256)
大谷 文章 北海道大学, 触媒化学研究センター, 教授 (80176924)
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キーワード | 触媒・化学プロセス / ナノ材料 / 表面界面反応 / 新エネルギー / 光触媒 |
研究概要 |
光触媒は既に一部実用化されているが、高機能性を持たせるために更なる改良が期待されている。そこで、本研究では光触媒反応の反応活性種の触媒上での発生場所とその時間依存性について明らかにし、それをもとに新しい触媒設計を行うことを目的としている。現在まで、酸化チタン懸濁系における、ルミノールによるスーパーオキサイドラジカルの検出、テレフタル酸蛍光プローブやスピントラップESR方によるOHラジカルの定量、燐光の観測から一重項酸素の観測を行ってきた。本年度は、種々の溶液に懸濁した場合、および、空気下での光触媒反応における一重項酸素の存在および反応への寄与について,また、熱処理による酸化チタン表面の変化、ゼータ電位測定などから、光触媒の反応活性種のでき方と反応機構について検討した。 酸化チタン表面構造とくに、加熱処理による表面水酸基の減少と、光触媒活性との関連について、水溶液の反応を中心に検討した。その結果、加熱処理により、水の吸着状態が異なり、比較的疎水性を帯びてくる事、を、酢酸や安息香酸、あるいはアミノ酸の分解反応で検討した。 酸化チタン粉末の表面に吸着している水分子が3層からなっていることをNMRの観測から明確にし、さらに、最下層の水の化学シフトが酸化チタンの表面の性質を表わしていることをしめした。表面酸性度の高い、すなわち、等電点の低い酸化チタンでは、水の化学シフトは低磁場側にシフトする。
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