自己組織化されたナノ階層構造を持つ光機能系のデザイン

2002 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 14050050
• 研究機関: 名古屋大学
• 研究代表者: 高木 克彦 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60023264)
• 研究分担者: 福嶋 喜章 豊田中央研究所, 第2特別研究室, 室長 ; 志知 哲也 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助手 (90293654) ; 菊田 浩一 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (00214742) ; 木村 真 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (30144124)
• キーワード: ニオブ酸カリウム / インターカレーション / ポルフィリン-ビオロゲン交互複合体 / 可視光駆動光化学電荷分離 / 積層複合体 / 交互吸着

研究概要

ニオブ酸カリウム(K_4Nb_6O・17H_2O)はニオブ酸層を挟んで水和および非水和カリウムイオンを含む2種類の層間隙IとIIを持つことから層間へのゲストの取り込み挙動も異なることが知られている。そこで本研究では、可視光吸収剤としてポルフィリン誘導体(TMPyP^<4+>)と電子受容体(MV^<2+>)を層間隙IとIIに交互に吸着させ、可視光照射によって、各ニオブ酸層の両側に一電子酸化種と還元種電荷分離させ、再結合による反応効率を低下を抑制することを検討した。TMPyP^<4+>とMV^<2+>の交互複合体の合成は、堂面らのニオブ酸塩のプロトン化とプロピルアミン処理法により、層間隙IのみをTMPyP^<4+>で修飾し、層間隙IIは、MV^<2+>の前駆体(4,4-bipyridine)で中和による取り込みを行った所、約30%のインターカレーションが起こり、求める交互吸着がXRD分析から確認された。また、この階層構造のモデルとして、層状チタンニオブ酸カリウム(KTiNbO_5)の層間隙にTMPyP^<4+>とMV^<2+>を吸着した複合体を腹々に合成し、その複合体のキャスト法により積層した複合体の可視光増感電荷分離を検証した。その結旺、シリカ基板上に、先ず、KTiNbO_5の全層間隙にMV^<2+>を吸着したTiNbO_5^-MV^<2+>複合体薄膜を形成させてからその上に、KTiNbO_5の全層間隙にTMPyP^<4+>を吸着した累積膜を可視光照射したときに、MV^<2+>の還元体の生成が観察され、そのアクションスペクトルから、TMPyP^<4+>の光励起が還元に係わっていることが明らかになった。

研究成果

• [文献書誌] O.Ohtani, H.Katoh, K.Takagi: "Reversible Morphological Changes Induced by the Photodimerization of Bis(4-Octadecyloxystilbazolium) Isophthalate Films"Chemistry Letters. 48-49 (2002)
• [文献書誌] O.Ohtani, R.Sasai, T.Adachi, I.Hatta, K.Takagi: "Self-Assembled Thin Solid Films of Dioctadecyldimethylammonium Cinnamate Lamella Units That Control the Photostationary State of E-Z Photoisomerizations"Langmuir. 18. 1165-1170 (2002)
• [文献書誌] K.Kikuta, K.Ohta, K.Takagi: "Synthsis of Transparent Magadiite-Silica Hybrid Monoliths"Chemistry Materials. 14. 3123-3127 (2002)
• [文献書誌] Z.Tong, T.Shichi, K.Takagi: "The visible-Light Induced Charge-Separation between Porphrin and Methyl Viologen Separately Intercalated in Different Layeres of the Titanoniobates"Journal of the Physical Chemistry (B). 106. 13336-13310 (2002)
• [文献書誌] Z.Tong, T.Shichi, Koji Oshika, K.Takagi: "A Nanostructured Hybrid Material Synthesized by the intercalation of Porphyrin into Layered Titanoniobate"Chemistry Letters. 876-877 (2002)
• [文献書誌] R.Sasai, T.Fujita, N.Iyi, Z.Tong, H.Itoh, K.Takagi: "Aggregated Structures of Rhodamine 6G Intercalated in a Fluor-Taeniolite Thin Film"Langmuir. 18. 6578-6583 (2002)
• [文献書誌] 該当なし: "Synthesized by the Intercalation of Porphyrin into Layered Titanoniobate"