研究概要 |
TiO_2光触媒反応における光機能界面上での種々の有機物の分解機構を解明するため、(1)有機物ラジカルイオンの反応性、(2)ヒドロキシラジカルや酸素アニオンなどの酸素活性種と有機物の友応、特に、TiO_2光触媒による有機物の分解機構、(3)ラジカルイオン中間体の動的挙動の解明などを中心に、時間分解渦渡吸収測定法、パルスラジオリシス法、高感度固体表面NMR法を使用して研究を行い、特に種々の新規TiO_2光触媒について、反応初期過程の解明と光触媒能の定量的な評価を行うことができた。また、全反射蛍光顕微鏡を用いた活性酸素種の単一分子検出法という新しい方法論を提案することができた。具体的には、時間分解拡散反射法を用いてTiO_2表面上における基質の吸着と一電子酸化反応過程を検討し、一電子酸化効率は基質の酸化電位だけでなく基質とTiO_2との電子的な相互作用の大きさに著しく依存することを明らかにした。また、可視光応答型のN-,S-,C-ドープTiO_2光触媒反応、気相中の光触媒反応、TiO_2から表面吸着したポリ酸への電子移動反応および一電子還元ポリ酸の励起状態からの電子移動反応、TiO_2表面吸着シクロデキストリンによる有機分子の一電子酸化反応などを反応機構を詳細に検討した。内径数nm程度のTiO_2ナノチューブによる有機分子の一電子酸化反応過程では、通常のナノ粒子と比べ、電荷分離状態が10倍以上長寿命化することを見出し、これは、一次元方向に伸びたTiO_2ナノチューブの形状に起因することがわかった。TiO_2光触媒反応によって生成したヒドロキシラジカルや一重項酸素(^1O_2)を蛍光プローブにより単一分子レベルで検出することに成功し、TiO_2光触媒表面からこれらの活性酸素が空気中を拡散していることを見出した。
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