本年度はこれまでに開発してきた偏光光反応によって分子配向を3次元的に制御できる光架橋性のPPLCをもとに、PPLCを低分子化合物や等方的な高分子材料とブレンドした複合体の配向性相分離構造を制御することによる可視光域での光機能性材料に関する研究や光反応しない高分子成分をPPLCにブロック(グラフト)共重合した光配向性共重合体の合成とそれらの光配向挙動と相分離構造制御に関する研究を行った。高分子液晶/高分子複合体においては散乱型の偏光でバイスを提案実証し、より小さいドロップレットを達成するとともに後方散乱光を50%を目標に増強することで実用的な偏光素子への展開が期待できると思われる。また、斜め偏光ないしは無偏光照射による3次元配向と相分離によって偏光依存と方向依存性を合わせもつ機能性散乱フイルムの開発が可能となる。また種々のタイプの光配向性ブロックポリマーを合成し、それらの光配向挙動についてまず明らかにした。今後、それらのナノ相分離構造と液晶部の配向の関係をTEM、AFMなどによって測定する予定である。
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