研究課題
1)センサーデバイス開発これまでに、SPR測定プローブと類似した作製法のストレートファイバープローブを発展させ、走査型光電気化学顕微鏡(EC-NSOM)を設計し、マルチイメージング機器の開発を進めてきた。本年度は、近接場光学顕微鏡の作製技術を利用したナノメーターサイズ光ファイバーセンサープローブを開発した。このプローブでは、これまでの作製法を見直し、光ファイバー化学エッチング、漏れ光を遮断するための金蒸着、電着ポリマーコーティングによる絶縁後、近接場光を得るために先鋭化ファイバー先端部のFIB加工を行った。このプローブは、近接場光を確実に測定できた。このプローブを顕微鏡システムとして組み込み、一本のプローブで3モードのイメージング情報(電気化学・近接場光学・原子間力観察)を得ることが可能なマルチモード走査型顕微鏡(SPM)を装置化した。開発した装置を用いて、1μm櫛形アレイ電極の電気化学、近接場光学、形状の同時イメージングに成功した。さらに、PC12神経類似細胞の観察では、100nmを下回る高分解能のイメージングが達成された。2)センシング方法論および感度増幅法の開発これまでに、屈折率の虚部を測定する光吸収型SPRを提案し、応答原理を理論展開するとともに、従来のSPR法では難しい低分子化合物の検出を可能にした。本年度は、このセンシングの理論を反映したSPRシグナル増幅剤としてのナノ粒子を設計、合成し、上記の開発装置と組み合わせて、高感度センシング法の確立を目指した。約200nmのスチレンベースの微粒子による抗原(BSA)のSPR検出においては、従来法の10〜100倍程度のSPR応答増幅効果を示した。
すべて 2006 2005
すべて 雑誌論文 (4件)
現代化学 1月号
ページ: 17-22
Journal of the American Chemical Society 127・19
ページ: 6956-6957
Journal of the American Chemical Society 117・31
ページ: 10798-10799
CHIMIA 59・5
ページ: 204-208