研究課題
特定領域研究
近年三次元周期構造を有するポーラス材料の開発が盛んに行われている。これらの材料は、分離材料として用いることができるだけでなく、フォトニック結晶への応用が期待されている。本研究では、機能性フォトニック結晶の開発を日指し、ポーラス材料の新規作製法の開発と、光応答性フォトニック結晶の開発を行った。特に、単分散粒子が周期的に配列したオパール構造、逆オパール構造の作製と、アゾベンゼンの光異性化反応、液晶の光誘起相転移を利用した光の伝播制御を中心に検討した。本研究で用いたフォトニック結晶はSiO_2逆オパールである。このフォトニック結晶のストップバンドを光で制御するため、アゾベンゼンを骨格にもつAzoLCと、ネマチック液晶5CBの混合液晶を逆オパールの空隙に導入した。得られた複合材料に紫外光と可視光を照射し反射スペクトルの変化を測定したところ、光照射をおこなう前は、反射スペクトルに明確なピークが観察されなかったが、紫外光を照射すると、600nm付近に強いピークが現れることがわかった。この現象は、紫外光照射によりAzoLCが屈曲したcis体へ異性化しネマチック相が等方相へ相転移したためであると説明できる。また、アゾベンゼンを骨格とする高分子液晶を逆オパールの空隙に導入した光応答性フォトニック結晶を作成した。作成したSiO_2逆オパール-高分子液晶複合材料に直線偏光と円偏光を照射するとストップバンドが可逆に変化した。この変化は、アゾベンゼン分子の光による配列の変化により説明できる。すなわち、光照射によりアゾベンゼンのトランス-シス異性化が誘起されるが、直線偏光の場合、偏光方向に垂直にアゾベンゼンが整列する。一方、円偏光を照射した場合、アゾベンゼンの配列がランダムになる。この結果、直線偏光と円偏光を交互に照射することによって屈折率が変化しストップバンドが可逆に変化したものと考えられる。
すべて 2007 2006 2005 2004 2003 2002 2001
すべて 雑誌論文 (22件) (うち査読あり 12件) 学会発表 (6件) 産業財産権 (4件)
Angew. Chem. Int. Ed. 46
ページ: 2152-2187
Angew. Chem. Int. Ed. Engl. 46
J. Am、Chem. Soc. 128
ページ: 1790-1791
J. Am. Chem. Soc. 128
ページ: 16428-16429
Am. Chem. Soc. 128
Angew. Chem、Int. Ed、 44
ページ: 7742-7745
Angew. Chem. Int. Ed. Engl. 44
J. Photochem. Photobiol、C 5
ページ: 203-223
J. Am. Chem. Soc. 126
ページ: 8314-8319
J. Photochem. Photobiol. C Photochem. Rev. 5
Angew. Chem. Int. Ed. 42
ページ: 984-897
Ace. Chem. Res. 36
ページ: 692-700
Langmuir 19
ページ: 3572-3574
Angew. Chem. Int. Ed. Engl. 42
ページ: 894-897
Inorg. Chem. 41
ページ: 678-684
Chem、Mater、 14
ページ: 760-765
Chem. Mater. 14
J. Am. Chem. Soc. 123
ページ: 11644-11650