研究課題/領域番号 |
14076207
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
田中 雅明 東京大学, 大学院工学系研究科, 教授 (30192636)
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研究分担者 |
菅原 聡 東京大学, 新領域創成科学研究科, 助手 (40282842)
井上 順一郎 名古屋大学, 大学院工学研究科, 教授 (60115532)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2005
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キーワード | スピントロニクス / 電子デバイス / ヘテロ構造 / トンネル磁気抵抗効果 / スピンMOSFET / GeFe / GeMn / GaMnAs |
研究概要 |
・磁性元素(Mn)をデルタドープしたGaAsとBeドープp型AlGaAsからなる選択ドープヘテロ構造を形成し、逆HEMT構造においてMnデルタドープ層の濃度を0.5原子層に高めることにより、192KのT_Cを観測した。また、上記ヘテロ構造を順HEMT構造として、Mnデルタドープ層の濃度を0.6原子層に増やし、成長後の低温アニールによって約250KのT_Cを観測した。 ・新しいIV族ベース強磁性半導体Ge_<1-x>Fe_xのエピタキシャル成長に成功した。高分解能TEMおよび組成分析によりGe_<1-x>Fe_xはダイヤモンド型結晶構造をもち、クラスタ析出物など異相がない単一の結晶相であること、ただし局所的なFe組成にはゆらぎがあることを示した。 ・MCDによる評価から、Ge_<1-x>Fe_xが単一の磁気光学スペクトルをもつ(すなわち単一の磁性層をもつ)真性の強磁性半導体であることを示した。Ge_<1-x>Fe_xの強磁性転移温度(T_C)はFe組成x=13%で170Kに達した。 ・In_<0.4>Ga_<0.6>Asの非磁性量子井戸層を有するGa_<0.94>Mn_<0.06>As(20nm)/AlAs(d nm)/In_<0.4>Ga_<0.6>As(0.42nm)/AlAs(d nm)/Ga_<0.94>Mn_<0.06>As(20nm)二重障壁強磁性トンネル接合を、p型GaAs(001)基板上に分子線エピタキシー法を用いて作製し、AlAs障壁膜厚に対してTMR比が振動的に変化する現象を見い出し、共鳴トンネル効果に関連することを示した。 ・p型GaAs(001)基板上にGaAs : MnAs(厚さ5m)/AlAs(2.2nm)/GaAs(1nm)/MnAs(20nm)からなるヘテロ構造MTJ(強磁性トンネル接合)を作製し、バイアス正負の両方で明瞭なTMRを観測した。このことにより、GaAs半導体中に埋め込まれたMnAsナノ微粒子がスピン注入源およびスピン検出器として働くことを示した。 ・新しいMOS型スピンデバイス:スピンMOSFETを提案し、その動作解析を行い、デバイス物理を示した。 ・スピンMOSFETを用いた再構成可能な論理回路を提案・解析した。 ・さまざまなTMR素子の理論解析を行い、その機構を明らかにした。 ・スピンホール効果、2次元電子ガスにおけるラシュバ効果などの理論計算を行いその伝導機構を明らかにした。
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