研究課題
17年度は、1)スピン軌道相互作用が増強する見通しのある新しい材料による変調ドープヘテロ接合の作製。2)スピン注入に適した逆構造変調ドープヘテロ接合の作製とスピン伝導の解析、などの項目で進展があった。1)では、従来と同じく分子線エピタキシー法により高In組成InGaSb/InAlSbヘテロ接合の作製に成功するとともに、ゼロ磁場スピン分裂と高磁場で現れるZeeman分裂の解析を詳細に行い、InGaAs系とは異なり低磁場でRashba項の寄与よりもDresselhaus項の寄与が大きいことを見いだした。その原因はまだはっきりしないが、これは世界初の成果である。また2)では表面InGaAsチャネル層の薄い(<60nm)逆構造ヘテロ接合(In組成:0.5、0.75)を作製し、特に0.75の場合極低温での電子移動度、及びスピン軌道結合定数は順構造の試料に比べ遜色のない値が確認されたこの結果は今後Rashba効果を利用した物性、デバイス実験、スピン注入実験などにおいて、極めて有力な基礎材料を与えることになると考えられる。
すべて 2005
すべて 雑誌論文 (3件)
Solid State Communi., 136,
ページ: 479-483
Proc., I.6, 12^<th> Int Conf. on Narrow Gap Semiconductors