研究課題
特定領域研究
「"光"によって、分子過程と化学反応を制御できるか?」という問に具体的な解答を与え、「強子場による反応制御の方法論」確立するため、分野横断的な学際的研究交流が活発に行われ、強光子場科学と呼ばれる新しい研究領域のフロンティアが格段に広がった。顕著な研究成巣としては以下のような例が挙げられる。課題1「強光子場下の分子・クラスター・凝縮系における新奇現象の観測」では、分子内の水素が強光子場下で多様な現象を引き起こすことが見出され、炭化水素分子からのH_3^+分子イオンの放出という現象や、超高速分子内水素原子移動過程が観測された。課題2「強光子場下での分子ダイナミクス理論の構築と方法論の開発」では、新しい理論手法である「時間依存断熱状態法⊥が開発され、強光子場下での反応制御機構の理解に役立てられた。課題3「最適化光子場パルスの設計による強光子場下での化学反応制御」では、課題4で開発されたレーザー光源や波形整形技術が、選択的化学結合の切断の制御に適用された。また、課題4「超短パルスX線・高次高調波の発生と波形整形技術の確立」では、レーザープラズマによるX線発生の高輝度化・短パルス化が進められ、時間分解X線回折・吸収実験が行われた。そして、高次高調波の高強度化にも大きな進展があり、アト秒領域の光パルスが生成されるとともに、自己相関計測法によってアト秒領域のパルス幅の測定が可能となった。また、本特定領域のコアメンバーが中心となり、「強光子場科学」の振興のため、産学連携型の「強光子場科学研究懇談会」を平成15年に設立し、大学や企業の研究者の間での学術交流を深めるとともに国際交流を推進した。その結果、日本を発信地として、「強光子場科学」が全世界に広がりはじめた。
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