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2005 年度 実績報告書

高速拡散過程とトンネルイオン化過程の非線形ダイナミクス

研究課題

研究課題/領域番号 14077220
研究機関立命館大学

研究代表者

池田 研介  立命館大学, 理工学部, 教授 (40151287)

研究分担者 清水 寧  立命館大学, 理工学部, 助教授 (30388128)
中田 俊隆  立命館大学, 理工学部, 助教授 (20237308)
篠原 晋  ATR適応コミュニケーション研究所, 研究員 (10318793)
キーワードクラスター / アルカリハライド / トンネルイオン化 / 力学系理論カオス / 半古典理論 / 分子動力学 / 合金化 / 拡散過程
研究概要

<高速拡散過程の研究:>
本年度は力の性質がはっきりしているアルカリハライド(AH)クラスターの高速混晶化過程の研究に一応のメドをつけた。AHクラスターでは表面空孔配列が異なる構造異性体に加え、体積内で空孔をもつ構造異性体(高位の異性体)がクラスターでは比較的低いエネルギーをもって安定に存在する。これらの異性体を巡る遍歴現象が動的に発生する。特に高位の異性体を巡る過程で混晶化が誘発される事が判明した。混入の活性化エネルギーが評価され1eV程度である事が分かった。この値はバルク中の拡散過程の2eVに比べその半分程度である。常温では混入速度が少なくとも$10^{12}$倍程度高速化する事が分かった。我々が関心をもつ、メソタイムスケールダイナミクスの観点からすると活性化エネルギーを与える、遷移状態とそれを乗り越える力学過程の解明が今後の大きな課題である。同時にanion-cation半径が顕著に異なるNaIの様なクラスターでは<動的ガラス状態>が現れる事が判明した。一方、数十個程度の超微小AHクラスターでは平衡状態であるにも拘わらず温度勾配があらわれる事。それが角運動量の保存の為である事も判明した。
<カオス的トンネル効果の研究:>
単純で且つトンネル効果をモデル化できる系としてHenon系をトンネルイオン化の基礎モデルに据えトンネルイオン化過程をカオスが理想的状態になく混合相空間として回転領域と混在する場合に解明してゆく作業がかなり進行した。重要な結果はトンネル効果に主要な寄与をもたらすLaputa chainに階層構造が存在し、しかも高次のchain構造が混合相空間でのカオス的トンネル効果に本質的役割を果たす事が解明された事である。理想的なカオス的トンネル効果では高次構造は効かず、低次構造のみでトンネルが良く近似できた事と大いに異なる。高次構造の役割は回転領域がカオス領域に占める割合に比べ相対的におおきくなる程重要になってくると考えられる。
なお、本研究課題に対し、2005年8月25日-9月1日立命館大学に於いて国際研究集会{bf Complexified Dynamics, Tunnelling and Chaos}を挙行した。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (6件)

  • [雑誌論文] Classical mechanism of multidimensional barrier tunneling2005

    • 著者名/発表者名
      K.Takahashi, K.S.Ikeda
    • 雑誌名

      Adv.Chem.Phys. Vol.130

      ページ: 401-434

  • [雑誌論文] Rapid Alloying in Binary Clusters : Microcluster as a Dynamic Material2005

    • 著者名/発表者名
      Y.Shimizu, T.Kobayashi, K.S.Ikeda, S.Sawada
    • 雑誌名

      Adv.Chem.Phys. 130,PartB

      ページ: 155-177

  • [雑誌論文] An intrinsic multi-dimensional mechanism of barrier tunnelling2005

    • 著者名/発表者名
      K.Takahashi, K.S.Ikeda
    • 雑誌名

      Euro.Phys. Lett.71

      ページ: 193-199

  • [雑誌論文] Multi-mode lasing in two-dimensional fully chaotic cavity lasers2005

    • 著者名/発表者名
      S.Sunada, T.Harayama, K.S.Ikeda
    • 雑誌名

      Phys.Rev. E71

      ページ: 046209-1-046209-5

  • [雑誌論文] Theory of 2D microcavity lasers2005

    • 著者名/発表者名
      T.Harayama, S.Sunada, K.S.Ikeda
    • 雑誌名

      Phys.Rev. A72

      ページ: 013803-1-013803-12

  • [雑誌論文] Mode expansion description of studium-cavity laser dynamics.2005

    • 著者名/発表者名
      S.Shinohara, S.Sunada, T.Harayama, K.S.Ikeda
    • 雑誌名

      Phys.Rev. E71

      ページ: 036203-1-036203-4

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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