研究課題/領域番号 |
14077222
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研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 |
研究代表者 |
緑川 克美 独立行政法人理化学研究所, 緑川レーザー物理工学研究室, 主任研究員 (40166070)
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研究分担者 |
須田 亮 独立行政法人理化学研究所, 緑川レーザー物理工学研究室, 副主任研究員 (80250108)
鍋川 康夫 独立行政法人理化学研究所, 緑川レーザー物理工学研究室, 先任研究員 (90344051)
永田 豊 独立行政法人理化学研究所, 緑川レーザー物理工学研究室, 研究員 (50311353)
長谷川 宗良 独立行政法人理化学研究所, 緑川レーザー物理工学研究室, 基礎科学特別研究員 (20373350)
古澤 健太郎 独立行政法人理化学研究所, 緑川レーザー物理工学研究室, 基礎科学特別研究員 (40392104)
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キーワード | 量子エレクトロニクス / 非線形光学 / 超短パルスレーザー / 強光子場 / コヒーレントX線 / X線非線形光学 / フェムト秒レーザー / 多光子過程 |
研究概要 |
我々は、これまでに高次高調波のエネルギースケーリングを確立し、波長62nm(13次)で約5μJ,波長30nmで0.3μJのエネルギーを得ることに成功した。本年度は、これらの高調波を多層膜鏡により集光し、軟X線領域で非線形光学現象を観測することを目的として研究を行った。 今回の集光実験に用いた14mJ,22fsのチタンサファイアレーザーを焦点距離4mのレンズで相互作用長12cmのアルゴンガスセル中にゆるやかに集光した。このときアルゴンセル出口での27次高調波のエネルギーは、320nJであった。発生した高次高調波をSiビームスプリッターに導き励起光を分離した後、反射率40%のSiC/Mg多層膜コートの軸外し放物面鏡で27次光を選択的に取り出して、厚さ100μmのCe : YAGシンチレーターに集光した。放物面鏡の焦点距離は、6cmである。シンチレーターで可視化された27次光のイメージは、レンズ系でCCDカメラに転送された。シンチレーターによるイメージおよびアブレーションパターンの測定から、集光点でのスポットサイズは約1μmと決定された。パルス幅を励起レーザー光と同じと仮定すると測定された27次高調波のエネルギーおよび集光径から集光強度として1x10^<14>W/cm^2という値が得られた。 さらに、この高調波をHeガス中に照射し2光子過程の観測を行った。高調波の強度に対する2価イオンの生成量の依存性をしらべたとこと、2価イオンの生成量は高調波強度の2乗に比例していることがわかり、これにより2光子過程が起こっていることが確認された。
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