研究課題
本研究では、ジボロンなどをホウ素源として利用する有機ホウ素化合物の合成法について調査するとともに、有機ボロン酸が水、酸素に安定であることを利用して、水を中心とした反応場における触媒的炭素結合形成反応の開発を目的とした。(1)ジボロンを用いた有機ホウ素およびケイ素化合物の合成法の開発と有機合成への利用・芳香族C-H結合の触媒的直接ホウ素化反応アリールボロン酸の合成はグリニヤール試薬とホウ酸エステルの反応が一般的である。原子効率を含めた反応の効率を追及すると芳香族C-H結合の直接ホウ素化が最も効率的な変換法となる。最近、Ir-bipyridine錯体が高い活性を示すことを見いだした。ジボロン及びピナコールボランを用いた含ヘテロ芳香族化合物、アルケン類の直接ホウ素化に成功した。またジシランを用いた芳香族化合物の直接ケイ素化も達成した。さらに、ホウ素化、ケイ素化に続くカップリングおよび付加反応にも成功した。(2)水を中心とした反応場における触媒的炭素結合形成反応の開発ロジウム錯体を用いる有機ボロン酸の共役付加反応において、ホスホアミダイト系配位子を開発した。非対称アミダイト配位子、二座ホスホアミダイト配位子に効果があり、二座ホスホアミダイト配位子では、触媒活性が向上すると共に、基質適用範囲が拡大した。またカチオン性パラジウムによる付加反応ではホウ素、ケイ素、ビスマス反応剤で不斉付加反応に成功した。
すべて 2006 2005 2003
すべて 雑誌論文 (7件) 図書 (5件) 産業財産権 (2件)
Org.Synth. 82
ページ: 126-133
Chem.Commun. 40
ページ: 5065-5067
Chem.Lett. 34・9
ページ: 1224-1225
J.Am.Chem.Soc. 127・41
ページ: 14263-14278
Organometallics 24・21
ページ: 5025-5032
Chem.Lett. 34:5
ページ: 720-721
触媒. 47・8
ページ: 619-624