研究課題
特定領域研究
二核タングステンペルオキソ錯体K_2[{W(=O)(O_2)_2(H_2O)}_2(μ-O)]・2H_2O(W2)が、過酸化水素を酸化剤とする水中での種々のアリル型アルコールのエポキシ化反応に対し高い触媒活性を示すことを見出した。また、二核タングステンペルオキソ錯体はイオン性修飾シリカに担持することが可能であった。欠損型ポリオキソメタレート[γ-SiW_<110>O_<34>(H_2O)_2]^<4->が、過酸化水素を酸化剤としたオレフィン類のエポキシ化反応に対して、【greater than or equal】99%のエポキシド選択率・過酸化水素有効利用率、高い立体特異性を示し、再利用可能な触媒であった。二原子欠損型タングストケイ酸アニオン[γ-SiW_<10>O_<36>]^<8->の部分プロトン化体である[γ-SiW_<10>O_<34>(H_2O)_2]^<4->の有機溶媒中における二量体化により、20個のタングステンから構成される2種類の新規ポリオキソメタレートが生成することを見出し、それらの分子構造を決定した。この二量体化に際してプロトンを共存させた場合には末端アクア配位子を含みS字型の分子構造を有するクラスター[{γ-SiW_<10>O_<32>(H_2O)_2}_2(μ-O)_2]^<4->が生成するのに対し、プロトンが存在しなかった場合には閉環型分子構造を有するクラスター[(γ-SiW_<10>O_<32>)_2(μ-O)_4]^<8->が生成することが明らかとなった。さらに新規ポリオキソメタレートおよび[γ-SiW_<10>O_<34>(H_2O)_2]^<4->の触媒特性の比較を行い、S字型構造を有するクラスターのみが過酸化水素を酸化剤とするBaeyer-Villiger酸化に高い触媒活性を示すことを見出した。一方[γ-SiW_<10>O_<36>]^<8->に+4価チタン種を作用させることで、稜共有型二核金属活性点を有する新規なポリオキソメタレート触媒[{γ-SiTi_2W_<10>O_<36>(OH)_2}_2(μ-O)_2]^<8->の合成し、分子構造決定を決定した。このポリオキソメタレート触媒を用いた過酸化水素を酸化剤とするオレフィンエポキシ化反応は、立体特異的に進行した。
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