我々は、縮合反応を進行させることが一般的に困難である水中においてアミノ酸の重縮合を効率よく進行させるためナノサイズ重合反応場を開拓することを目標として研究を行っている。かご型アミノプロピルシルセスキオキサンは配位子が放射状に配置された特異な形状を有している。これらに対して金属イオンを配位させると3次元的な会合体が得られることがこれまでに本研究室にて見出されている。かご型アミノプロピルシルセスキオキサン(1)は球状配位子として金属イオンとネットワーク構造を形成し、ナノメートルスケールの構造体を形成する点で従来にない系である。これらはこれまでにない反応場、触媒、電子光特性などが期待できる。本年度は、水酸化ナトリウムの添加により、水中において金イオンの1による自発的還元が進行し、水溶液中で安定な金ナノ粒子が生成されることを確認した。また、ルイス酸によるアミノ酸重縮合に及ぼす効果についても明らかになった。
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