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2004 年度 実績報告書

触媒反応中間体錯体の動的立体電子制御

研究課題

研究課題/領域番号 14078222
研究機関京都大学

研究代表者

小澤 文幸  京都大学, 化学研究所, 教授 (40134837)

キーワードゲルミル(スタニル)白金錯体 / ビス(ゲルミル)白金錯体 / ジホスフィニデンシクロブテン / パラジウム錯体 / 脱アリル化触媒 / ルテニウム錯体 / ヒドロシリル化触媒 / アセチレン共二重化触媒
研究概要

(1)ゲルミル(スタニル)およびビス(スタニル)白金(II)錯体を合成し、それらの構造とアルキン挿入反応について詳しく検討した。ゲルミル(スタニル)白金錯体とフェニルアセチレンとの反応では白金-ゲルマニウム結合と白金-スズ結合への挿入錯体が2:8の比で競争的に生成し、その後、白金-スズ結合への挿入錯体は熱力学的により安定な白金-ゲルマニウム結合への挿入錯体へと異性化した。この結果と、先に報告したシリル(スタニル)白金(II)錯体に関する検討権結果を基に、アルキン挿入反応に及ぼす14族元素の効果について統一的な考察が可能となった。
(2)ジホスフィニデンシクロブテン配位子(DPCB)を有するパラジウム錯体を合成し、それらの触媒機能について検討した。DPCB-ヒドリドパラジウム錯体は種々のアリルエーテル類のC-O結合の切断反応に対して高い触媒活性を示し、この性質を利用して、アリル基で保護された種々のアルコール類の触媒的脱保護反応を開発した。
(3)DPCB配位ルテニウム錯体が、末端アルキンのZ選択的ヒドロシリル化触媒として従来になく高い活性と立体選択性を示すことを見いだした。例えば、フェニルアセチレンのヒドロシリル化反応は、0.25mol%の触媒の存在下、塩化メチレン中、およそ10分で完結し、生成物のZ選択性は99%以上に達する。同様に、ジエチニルベンゼンやジエチニルフルオレンの二重ヒドロシリル化反応を、97%以上の立体選択性で行うことができた。合成されたアルケニルシランは、発光材料であるポリ(アリーレンビニレン)の合成原料として有用である。
(4)ビニリデンルテニウム錯体を触媒とする、アリールアセチレンとトリメチルシリルアセチレンとの共二量化反応を開発した。生成物は(Z)-1-アリル-4-トリメチリルシリル-1-ブテンイン構造をもち、シリル基を脱保護することによりシス構造をもつアルケニルアセチレンへと高収率で誘導化された。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2005 2004

すべて 雑誌論文 (6件)

  • [雑誌論文] Insertion of Phenylacetylene into Pt(SnMe_3)_2(PMe_2Ph)_22005

    • 著者名/発表者名
      佐川貴志
    • 雑誌名

      Organometallics 24・7

      ページ: 1670-1677

  • [雑誌論文] Stereocontrolled Synthesis and Optical Properties of All-cis Poly(phenylene vinylene)s (PPVs) : A Method for Direct Patterning of PPVs2005

    • 著者名/発表者名
      片山博之
    • 雑誌名

      J.Am.Chem.Soc. 127・12

      ページ: 4350-4353

  • [雑誌論文] Facile and Selective Deallylation of Allylic Compounds using Diphosphinidene-cyclobutene-coordinated Palladium Catalysts2004

    • 著者名/発表者名
      村上博美
    • 雑誌名

      J.Org.Chem. 69・13

      ページ: 4482-4486

  • [雑誌論文] Insertion of Phenylacetylene into Pt(GeMe_3)(SnMe_3)(PMe_2Ph)_22004

    • 著者名/発表者名
      佐川貴志
    • 雑誌名

      Bull.Chem.Soc.Jpn. 77・7

      ページ: 1287-1295

  • [雑誌論文] Synthesis and Catalytic Properties of Diphosphinidenecyclobutene-coordinated Palladium and Platinum Complexes2004

    • 著者名/発表者名
      小澤文幸
    • 雑誌名

      C.R.Chimie 7・8-9

      ページ: 747-754

  • [雑誌論文] Vinylideneruthenium complexes in catalysis2004

    • 著者名/発表者名
      片山博之
    • 雑誌名

      Coord.Chem.Rev. 248・15-16

      ページ: 1703-1715

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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