研究課題
本研究の中心となる硬X線検出器HXD-II(Hard X-ray Detector)を搭載したAstro-E2衛星は、2005年7月10日に無事に地球周回軌道に打ち上げられ、「すざく」と命名された。この大きな進展を軸に、本年度は本特定領域を構成する他のいくつかの計画研究と緊密に協力しつつ研究を行い、以下の成果を得た。1.7月末から8月半ばにかけて軌道上でHXD-IIの立ち上げを行ない、装置の各部が、ロケット打ち上げ時の振動などで破損することなく、正常に作動していることを確認した。2.私見観測データを用いて、HXD-IIの軌道上での微調、機能検証、較正などを進めた。その結果HXD-IIは、目的とする超低バックグラウンドを達成することができた。3.「すざく」HXD-IIおよびX線CCDカメラを用い、いくつかのブラックホール連星や10個以上の活動銀河核を観測し、明るい天体では300keVまで良好なスペクトルを得ることに成功した。4.HXD-IIのシールド部を利用し、ガンマ線バーストや太陽フレアの観測を開始した。ガンマ線バーストの観測では、理研の運用するHETE-2衛星などと協力体制を構築した。5.Chandra(米),XMM-Newton(欧),RXTE(米)などの衛星のデータ解析を続行した。6.HXD-IIのさらなる性能向上を目ざし、「すざく」の後継機となるNeXT衛星(提案中)に向け、撮像型ガンマ線装置の基礎開発を続行した。
すべて 2005
すべて 雑誌論文 (6件)
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