研究課題/領域番号 |
14079203
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
谷森 達 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10179856)
|
研究分担者 |
窪 秀利 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (40300868)
身内 賢太郎 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (80362440)
|
キーワード | 核ガンマ線 / ブラックホール / コンプトン散乱 / ガス増幅検出器 / コンプトンカメラ / Time Projection Chamber / 気球実験 / ガンマ線イメージング |
研究概要 |
●反跳電子測定用MPGCの開発 30cm角の大型MPGCの試作を行い、95%以上の面積で良好なピクセルが製作が可能となり、実際にTPCとする装置を製作した。同時に30cmTPCのための読み出し回路基板、圧力容器、ドリフトゲージなどの設計製作を行った。12月からは大型MPGCを動作させ、前面で利得3000程度での動作を開始、画像を取るなど基本試験を行い、TPC性能試験へ進んでいる。また30cmMPGCに対応する100MHz座標変換回路を開発、従来の2倍の信号を2倍の速度で処理可能になった。すでに動作試験を終了し、30cmMPGCに接続し、画像取得に成功した。17年度には30cmTPCとしての動作試験に入る。また数万の利得を安定に得るために、Capillary Plate, GEMなどの中間増幅器を組み合わせたハイブリッド型MPGCを開発、利得20万を達成し、利得5万程度で3月以上安定動作を実現することができた。30cmTPC用の25cm角GEMを製作し、MPGCと組み合わせ、試験を行う。 ●シンチレータ反跳ガンマ線検出器の開発 30cmTPCに対応する37cm角アンガーカメラを製作、位置分解能16mm@662keV(FWHM)、エネルギー分解能11%@662keV(FWHM)を達成、下記に示すように順調に動作している。さらに分解能をあげるためにピクセルシンチレータの改良を行った。特にピクセルシンチレータの反射材、および組み上げ法の改良を行い、一様性の高いピクセルブロック製造が可能になった。特に阻止能の高いGSO結晶を用いたピクセルシンチレータを製作し、エネルギー分解能を評価し、10cmTPC側面部を覆うガンマ線検出器を完成させた。さらにFlat Pane1 PMT信号を処理する回路系も完成し、ガンマ線到来方向の決定精度の向上が可能になった。さらに将来の大型装置のためにフォトダイオード400個を合わせたアレイの評価を継続し、良好な結果を得ている。 ●ガンマ線線到来方向決定実験 上記にあるハイブリッド10cmμTPCと大型アンガカメラを組合せた新型カメラの性能評価試験を行い、300-1100keVの範囲で画像測定を行い、662keVで約10度(FWHM)を達成した。
|