研究分担者 |
伊藤 高敏 東北大学, 流体科学研究所, 助教授 (00184664)
中村 美千彦 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (70260528)
吉田 武義 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80004505)
寅丸 敦志 金沢大学, 理学部, 助教授 (50202205)
中嶋 悟 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (80237255)
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研究概要 |
平成14年度は,主に,これまでの研究のレビューを行い,今後の研究の方向性と実験設備の仕様について議論を深め,次年度からの詳細な研究実施計画を立案した.マグマの増圧過程に最も寄与する発泡現象についての,岩石学的,流体力学的,弾性体力学的な考察を行い,次年度から実施する,脱水素過程その場観測の実験装置,火山ガラス分析装置,発泡その場観測装置,流動熱水-岩石反応実験装置等の仕様の詳細を固めるとともに,一部装置の開発と予備実験を開始した.また,マグマ性流体の特性,地殻を構成する岩石特性を考慮した火道内マグクの増圧過程のモデル化を行い,数値シミュレーションを開始した. 揮発性物質の挙動を定量的に把握するため.高温顕微赤外分光法によりガラスからの脱水速度のその場観測,火道内物質の気泡の3次元連結度の評価のためのX線CTスキャン法の開発,減衰全反射赤外分光法による水溶液構造モデルとそのぬれ等の物性の検討を行った.また,マグマ溜まりからの脱ガス機構を知るために,クリスタルマッシュの気泡分布状態の測定,高分解能X線CTによる三次元気泡分布測定を行った.マグマ発泡のその場観察用の実体顕微鏡システムの開発を進めるとともに,富士火山噴火の火砕物について発泡組織及び結晶組織の解析を開始した.圧力勾配を持つ超臨界熱水を用いて,密閉条件での火山ガラスの水和,変質実験を行い,火山ガラス中の水の拡散挙動と溶解,析出現象の観察実験を開始した.大規模陥没カルデラによる巨大噴火を引き起こすマグマ供給系の進化過程ついて検討し,マグマ増圧による環状割れ目構造の発達する箇所を明らかとした.また,これまで着目されていなかった熱応力効果を加味したマグマ増圧による割れ目伸展過程について,数値シミュレーションを開始した.揮発性成分が含まれるマグマ性流体の火山爆発現象を数値シミュレーションし,火道内の増圧過程を調べた.
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