研究課題/領域番号 |
14080205
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
田中 良和 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00025420)
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研究分担者 |
平林 順一 東京工業大学, 火山流体研究センター, 教授 (30114888)
石原 和弘 京都大学, 防災研究所, 教授 (30027297)
清水 洋 九州大学, 大学院・理学研究院, 教授 (50178985)
須藤 靖明 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (40025466)
井口 正人 京都大学, 防災研究所, 助教授 (60144391)
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キーワード | 諏訪之瀬島火山 / 地震観測 / 自然電位観測 / 地殻変動 / 空中磁気測量 / 火山ガス / 熱赤外観測 / 無線テレメータ |
研究概要 |
研究目標は、爆発的な火山で地震・地殻変動・電磁気・火山ガスや噴煙、赤熱などの総合的な火山観測を行い、爆発に至る一連の物理・化学的なデータを取得して爆発的噴火の機構を考察することにある。諏訪之瀬島火山では、火山ガス・傾斜・音波・地震等の総合観測が無線テレメータ装置を活用して実施され爆発の力学機構を解析した。また、人工地震探査を実施して諏訪之瀬島御岳火口周辺の地震波速度構造を解明した。ジャワ島東部のスメル火山は爆発的噴火を頻繁に繰り返しており、表面爆発と爆発地震の関係を深慮すべく、同火山の山頂に広帯域地震計、傾斜計、音波計を荷揚げし、山麓部にビデオ、熱赤外、火山ガス、地震、音波などの観測装置を配置して爆発現象を観測して火道内部での火山ガスの蓄積と放出機構を考察した。電磁気関係では広帯域MT観測装置を充実させ、阿蘇火山や九重火山の電気構造を精査し、購入した解析ソフトを用いて活動火口近傍の電気的構造解析が進展した。阿蘇の活動的火口直下には極めて電気抵抗の低い層が存在するが、他の火口では高抵抗を示す知見が得られ、長周期微動や火山性地震あるいは自然電位による熱水対流モデル等との対比により、火口下の熱・水循環機構が明らかにされた。また、桜島の比較的静穏な機会を捉えて空中磁気測量を実施し、火山体の磁化構造を求めた。阿蘇や口永良部火山では自然電位や磁場観測が継続され、データの蓄積を行った。火山ガス分野では、携帯型火山ガス測定装置を用いて諏訪瀬、阿蘇、桜島、スメル火山等で三次元的な火山ガスの動態が明らかにされ、火道内部での火山ガスの蓄積量が把握され、爆発機構解明に重要な役割を果たした。画像解析分野では空振画像の解析手法が進展し、噴煙のスペクトルを通して火道状態を把握する試みがなされた。研究者相互の研究連絡・討論は、班会議や年度末研究会のほか観測や関連学会の場でなされ、仏国で開催されたIAGA国際会議においても発表討論された。
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