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2005 年度 実績報告書

内胚葉系組織幹細胞の分離とその可塑性機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 14081201
研究機関横浜市立大学

研究代表者

谷口 英樹  横浜市立大学, 大学院医学研究科, 教授 (70292555)

キーワード内胚葉 / 幹細胞 / 可塑性
研究概要

単離した肝臓、膵臓、腸管、唾液腺等の細胞集団の中から、極少数しか存在せずかつ形態によって区別することが難しい多能性を持つ幹細胞(stem cell)を、FACS(fluorescence activated cell sorter)とモノクローナル抗体を用いた精度の高い細胞分離法により純化・回収し、それらの分化・増殖・自己複製・可塑性機構を解析することを目的として研究を行った。これまでに肝幹細胞、膵幹/前駆細胞、唾液腺幹/前駆細胞の分離・同定において成果をあげている。最近、幹細胞の自己複製に関与する分子群と腫瘍化プロセスとの密接な関連性が示唆されつつある。そこで、FACSを用いて分離した肝幹/前駆細胞画分であるc-Kit-CD49f+/lowCD29+CD45-TER119-細胞を対象として、レトロウイルスベクターを用いたβcateninあるいはBmi-1の過剰発現を行った。その結果、重層化したクローン性コロニーが形成され、これらのコロニー中では多分化能を維持した増殖(自己複製)が2-3倍生じていることが判明した。この細胞を免疫不全マウスに移植したところ、混合型肝癌に類似した組織像を有する腫瘍が形成された。肝幹細胞を対象としたプロスペクティブな実験系により、肝幹細胞の過剰な自己複製が発癌ステップとして重要である可能性が示唆された。今後、組織幹細胞にどのようなイベントが生じた場合に癌が生じるのかについて、分離した幹細胞を対象として、腫瘍化プロセスを再構成する研究が重要となる。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (5件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Clonal proliferation of multipotent stem/progenitor cells in the neonatal and adult salivary glands2006

    • 著者名/発表者名
      Kishi T
    • 雑誌名

      Biochemical and Biophysical Research Communications 340

      ページ: 544-552

  • [雑誌論文] 肝臓・胆管・膵臓の発生学的な関連性2006

    • 著者名/発表者名
      谷口英樹
    • 雑誌名

      肝胆膵 52(2)

      ページ: 167-172

  • [雑誌論文] ヒト由来幹細胞の創薬プロセスへの応用2006

    • 著者名/発表者名
      中村英志
    • 雑誌名

      HAB NEWSLETTER 12(2)

      ページ: 14-16

  • [雑誌論文] 「再生医療」とは何だろう?2005

    • 著者名/発表者名
      谷口英樹
    • 雑誌名

      たんじゅうさん 4(1)

      ページ: 12-13

  • [雑誌論文] 肝臓における組織幹細胞とがん幹細胞2005

    • 著者名/発表者名
      谷口英樹
    • 雑誌名

      Medical Science Digest 31(9)

      ページ: 349-352

  • [図書] サイトプロテクション(再生医療の実現化プロセスについての一考察)2006

    • 著者名/発表者名
      谷口英樹
    • 総ページ数
      4
    • 出版者
      癌と化学療法社

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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