研究課題/領域番号 |
14082202
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研究機関 | 愛知学院大学 |
研究代表者 |
村松 喬 愛知学院大学, 心身科学部, 教授 (00030891)
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研究分担者 |
村松 壽子 名古屋大学, 大学院医学系研究科, 助教授 (50182134)
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キーワード | ミッドカイン / ニューログリカンC / 神経前駆体細胞 / プレイオトロフィン / ノックアウトマウス / トランスジェニックマウス |
研究概要 |
マウス胎児から樹立した神経前駆体細胞の分化に対するミッドカインの効果を調べた。ミッドカインは前駆体細胞の分化を促進も阻害もせず、また神経細胞とグリア細胞の2つの分化方向の振り分けにも影響しなかった。神経前駆体細胞の増殖と生存を促進しながら、分化に影響しないミッドカインの作用が、ミッドカインがアフリカツメガエルなどで神経形成を促進する活性を持つ基盤であると結論した。ニューログリカンCはオリゴデンドロサイト前駆体様細胞のミッドカイン依存性突起伸張の際、ミッドカイン受容体として作用する。ニューログリカンCはパートタイムプロテオグリカンであるが、ラット脳から調製したニューログリカンCを用いてそのコンドロイチン硫酸鎖がミッドカインとの結合をより強めることを明らかにした。ミッドカインとそのファミリーであるプレイオトロフィンの両遺伝子を欠くダブルノックアウトマウスは自発行動能が野生型マウスよりも低下していた。しかし、ダブルノックアウトマウスの脳は組織学的には野生型マウスの脳と大きく異なってはいなかった。ミッドカイン遺伝子を脳に強制発現させたトランスジェニックマウスを作成した。トランスジェニックマウスには大きな異常はなかったが、引き続いて解析中である。ミッドカインのC末端側の1/2ドメインにあるヘパリン結合領域は、ミッドカインの作用に必須である。ここに結合してミッドカインの働きを抑えるペプチドと低分子化合物を検索し、阻害活性のあるペプチド候補を得て、解析を進めている。
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