研究課題/領域番号 |
14082202
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 愛知学院大学 (2004-2006) 名古屋大学 (2002-2003) |
研究代表者 |
村松 喬 愛知学院大学, 心身科学部, 教授 (00030891)
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研究分担者 |
村松 壽子 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (50182134)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2006
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キーワード | スルホトランスフェラー / プロテオグリカン / 神経発生 / 聴覚 / 脳損傷 / ケラタン硫酸 / ノックアウトマウス / ミッドカイン |
研究概要 |
N-アセチルグルコサミン6-スルホトランスフェラーゼー1(GlcNAc6ST-1)遺伝子をノックアウトしたマウスを作成した。このマウスではリンパ節へのリンパ球ホーミングが低下し、GlcNAc6ST-1 がL-セレクチンリガンドの合成に関与することか明らかとなった。さらに、GlcNAc6ST-2ノックアウトマウスと交配しダブルノックアウトマウスを作成する国際共同研究によって、この2つの酵素がL-セレクチンリガンドの合成に協同的に働くことが判明した。GlcNAc6ST-1は脳のケラタン硫酸の合成にも関与した。そして、大脳の損傷時にGlcNAc6ST-1ノックアウトマウスはグリア瘢痕の形成が少なく、ケラタン硫酸が脳の創傷治癒を妨げていると考えられた。 ミッドカインは細胞の生存、移動、増殖を促進するヘパリン結合性成長因子である。ミッドカインおよびそのファミリーであるプレイオトロフィンの遺伝子を共に欠くノックアウトマウスは聴覚異常であり、また自発行動が抑えられ、雌は大部分が不妊であった。ミッドカイン遺伝子ノックアウトマウスから作成した神経前駆体細胞を用いて、ミッドカインはこの細胞の増殖と生存を促進するが、分化を抑えないことが明らかになった。この活性がミッドカインによる神経発生の促進の基盤となると考えた。ミッドカインが強く結合するために必要なグリコサミノグリカン構造は、コンドロイチン硫酸Eユニットあるいはヘパラン硫酸トリ硫酸化ユニットが重合したものであると解明した。ミッドカイン受容体としてはプロテオグリカン、インテグリン、LDL受容体関連タンパク質が重要な役を果たし、ミッドカインによりこれらの成分が複合体を作ると提唱した。さらに、ミッドカインによるオリゴデンドロサイト前駆体細胞の突起伸張のさいにはパートタイム・プロテオグリカンであるニューログリカンCも受容体として働くことを見出した。
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