研究課題/領域番号 |
14082203
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
川嵜 敏祐 京都大学, 薬学研究科, 教授 (50025706)
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研究分担者 |
川嵜 伸子 京都大学, 医療技術短期大学部, 教授 (70077676)
上村 和秀 京都大学, 薬学研究科, 助手 (20303844)
岡 昌吾 京都大学, 薬学研究科, 助教授 (60233300)
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キーワード | MBP / ホスホマンナン / マンノース6-リン酸 / マクロファージ / C型レクチン / LPS / TLR4 / NF-κB |
研究概要 |
近年、共同研究者であるDlabac博士によって新生ブタ血清中にホスホマンナンに結合性をもつ新規C型レクチンの存在が示唆され、その後、筆者らにより新生ブタ血清よりブタS-MBPが単離された。本研究ではブタS-MBPとホスホマンナンおよびマンナンの相互作用を、表面プラズモン共鳴法により解析した。その結果、ブタS-MBPは、マンナンに対しては従来知られているMBPと同程度の親和性をもつが、ホスホマンナンに対しては300倍程度も強い親和性をもつことが明らかになった。また、ブタS-MBPはマンノース、N-アセチルグルコサミンおよびフコースといった、他のMBPと同様の糖に対して特異性をもつほか、マンノース6-リン酸およびホスホマンノースを含むオリゴ糖にも特異性を示すことが明らかになった。マクロファージのアシアロ糖タンパク質結合タンパク質(Macrophage Asialoglycoprotein Binding Protein; M-ASGP-BP)はガラクトース/N-アセチルガラクトサミンを特異的に認識するC型レクチンである。本研究では、チオグリコール酸滲出性腹腔マクロフアージにおいて高発現しているM-ASGP-BP mRNAがグラム陰性菌の外膜成分であるLipopolysaccharide(LPS)により著しく減少することを見い出した。TLR4の細胞内ドメインの変異のためLPSに対する反応性が低いC3H/HeJマウスをもちいて検討した結果、LPSの受容体であるTLR4からのシグナルによりM-ASGP-BP mRNAの減少が誘導されることが明らかとなった。さらに阻害剤を用いた実験からLPSによるM-ASGP-BPmRNAの減少に、MAPキナ-ゼ経路のclassical pathwayやp38 pathwayは関与しておらず、NF-κB経路の活性化が関与していることが示唆された。
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