研究分担者 |
岡 昌吾 京都大学, 薬学研究科, 助教授 (60233300)
馬 永 京都大学, 薬学研究科, 助手 (00378788)
川嵜 伸子 京都大学, 医学部・保健学科, 教授 (70077676)
長野 正道 立命館大学, 情報理工学部・生命情報学科, 教授 (40367991)
|
研究概要 |
神経系における糖鎖シグナル(HNK-1エピトープ)と動物レクチン(MBP)の役割に関して、研究計画に従い研究を進め、次のような研究成果を上げた。 1.HNK-1エピトープの生合成に関与する2種類のグルクロン酸転移酵素(GlcAT-PおよびGlcAT-S)の大腸菌における大量発現系を確立した。得られた可溶性型酵素は糖鎖付加を受けていないにもかかわらず、天然より精製された酵素に匹敵する活性を保持した(Kakuda et al.,Pro.Exp.and Puri.,35,111-119(2004))。 2.COS-1細胞に発現させた、糖鎖を付加したGlcAT-PおよびGlcAT-Sはいずれも糖タンパク質性基質(アシアロオロソムコイド)および糖脂質性基質(パラグロボシド)に対してグルクロン酸を転移する活性を示した。しかしながら、GlcAT-Pの糖タンパク質性基質に対する活性は補助因子としてスフィンゴミエリンを必要とし、両酵素の糖脂質性基質に対する活性はフォスファチジルイノシトールを必要とした。大変興味ある新しい結果である。この現象の持つ生理的意味については今後さらに研究を進めたい(Kakuda et al.,Glycobiology,203-210(2005))。 3.コンピュータシミュレーションを用いて糖転移酵素による糖鎖基質認識機構の解析を行い、成果をあげた。 4.MBPによるがん細胞認識に関与するSW1116細胞表面の糖鎖リガンドはルイスaエピトープがタンデムにリピートした極めて特徴的な新規がん関連糖鎖抗原であることを明らかにした(Terada et al.,J.Blol.Chem.,280,10897-10913(2005)。 5.糖鎖エピトープ解析のための糖鎖構造とこれを認識する糖鎖認識抗体に関するデータベースを作成した。
|